こんにちは、オリンピックのチケット先行予約の抽選でひとつも当たらなかったMINです。みなさんは当選されましたか? うちのスタッフも何人かはサーフィンの観戦チケットが当選したようです。
五十嵐カノアさんがVISAカードのCMに出演するなど、サーフィンがオリンピック競技として採用されてから、サーフィンのメディアでの露出が少しずつ増えてきていますが、皆さんの周囲ではどのような変化を感じられていますでしょうか。
今年もまた、(公)日本生産性本部から『レジャー白書2019』が発表されましたので、早速入手しまして、統計データにどのような変化があるのか調べてみました。
サーフィン人口の年代別構成比
2018年のサーフィン参加人口は、レジャー白書に記されている統計値だけ見ますと2017年と同じ60万人で、前年から増えていないものの統計上最も少なかった2015年より多い状態が続いています。
下のグラフの値を3年の移動平均でみますと、この2年で上昇が始まりそうな曲線を描いています。一方で、2009年からの過去10年を見ますと、若干のでっぱりひっこみがあるものの平均で55万人で、ほぼ横ばいが続いているような状況です。
若年層に変化が見られる
上の参加人口を年代別に3つに分けてみますと、以下のグラフのように、2018年は30代以下の割合が増えていることが伺えます。
さらに、データをもう少し細かく見ますと、以下のような特徴が見られました。
・男性の20代の参加人口が上がった
・男性の30〜60代の参加人口が下がった
・女性の40〜60代の参加人口が上がった
男性の20代の参加人口が上がった背景として、プロサーファーの佐藤魁(がい)さんが2017年に人気リアリティ番組「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」に出演したことなどが大きいかもしれません。
彼のスポンサーであるアパレルブランド「Volcom」が催したイベントでは、サーファーではなさそうな若年層の女性ファンが多く集まっていたことがとても印象的で、こういった層への認知度の向上が20代男性の参加人口を上げた可能性は十分考えられるでしょう。
若年層はさらに拡大するのか?
統計上のサーフィン参加人口は上のグラフのようになっていますが、実際に海の中で見るサーファーは40〜50代が多い印象で、実際に波伝説の会員は約7割がその年代を占めています。サーフィン市場が大きくなるには若年層のサーフィン参加人口の増加は必須な状況と言えるでしょう。
その状況下で、前述の若年層の増加傾向は明るい兆しです。オリンピックに向けてメディアでのサーフィンの露出は増えてきているため、今後さらに増えてくる可能性は高いでしょう。
サーフィン業界関係者にオリンピックの影響について尋ねますと、「結果次第」「オリンピックが終わったあとでしょ」「今はオリンピック後に向けて準備してる」と、皆さん共通した認識を持たれているようです。
確かに、異業界の将棋界では、プロ棋士の藤井聡太さんが15歳の若さで前人未到の29連勝を達成したことでメディアが大いに賑わい、2016年に参加人口が530万人と低迷していたのが、2017年でいっきに700万人まで増加したという実績があります。
このことからも、サーフィンが人気になるにはスターの誕生は欠かせないということが明白で、逆にスターが誕生さえすれば人気を取り戻す可能性が十分あると言えます。
オリンピックはその大きなチャンスとなりますので、日本人選手にはぜひとも頑張っていただきたいと願っています。
引き続き、皆さんで「波乗りジャパン」を応援していきましょう!
次回は、サーフィン市場の変化を金額で表してみようと思います。
レジャー白書に基づいて書いた過去の記事
- 日本のサーフィン参加人口はボトムを打つのか?|MINのウラナミVol.323
- サーフィン市場の年代に大きな変化が!?|MINのウラナミVol.322
- サーフィン業界が深刻というのでちょっと調べてみた|MINのウラナミVol.303
用語説明
参加人口:ある余暇活動を1年間に1回以上行った人口の推計。