服部予報士のウラナミ『立春大吉、鎮防火燭』

服部予報士

服部予報士
服部予報士 サーフレジェンド所属気象予報士、防災士。 小学校の理科の授業で天気に興味を持ち、大学は海洋気象を専攻。 TV・ラジオでの気象解説や、古民家イタリアレストランの店長などの経験を持つ。 「天気と海、旬の食材と話題を通して季節の移ろいを感じられる」ことを ライフワークとして、メッセージを伝えてゆきたいと思います。

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2月4日は「立春」で暦の上では春となりますが、だからと言って春を感じられる事は少なく、まだまだ寒い日が続いたりしますよね。

さて、立春になると時折「立春大吉」と書かれた札が貼られているのを見たことはありませんか?

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ご存じの方も多いとは思いますが、改めて、この「立春大吉」の意味を紐解いてみましょう。

ここでイメージして下さい…「立春大吉」を上から下に向けて真ん中に線を引きます。
すると全ての文字が左右対称になっているのがイメージできますか?
さらに言うと、表から見ても、裏から見ても、立春大吉と読むことが出来ます。

言い伝えによると、昔、鬼が立春大吉の貼ってある玄関をくぐったあと、ふと振り返ると、同じように「立春大吉」を目にします。
すると鬼は「あれ?まだ玄関をくぐっていなかったのかな?」と勘違いして、家に入り直そうとしたところ、結果家の外に出て行ってしまったそうです。

ということで、前日の節分には一年の厄払いに豆まきをし、立春では新しい一年の厄除けとして「立春大吉」を貼り無病息災、平穏無事を祈ったということなんですね。この「立春大吉」は諸説あるようですが、立春の日のうちに、玄関に向かって右に貼るのが良いとされています。

また、あわせて「鎮防火燭(ちんぼうかしょく)」と書かれた札が玄関に向かって左に貼られます。
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春は時折「春の嵐」や「春一番」に代表されるような強風が吹いたり、空気の乾燥した季節で火事の怖い季節でもあります。
鎮防火燭は、かまどの火や燭を鎮め、防ぐという、いわゆる火の用心と同じ目的の札となります。

改めて、この一年、皆様にとって災いのない良い一年でありますように、お祈り申し上げます。

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