こんにちは、ナッカルビです。海には青い血を持つ生物が多いと思うんですよね。
頭足類(イカやタコなど)、腹足類(アワビなど)、甲殻類(エビやカニなど)がそうです。
これらの生物の血液には、タンパク質であるヘモシアニンに銅が含まれているため青い色をしています。ヒトの血液に含まれるヘモグロビンと同じく体内で酸素を運搬する役割を担っています。(ヒトの血が赤いのは鉄を含むから)
その中でもカブトガニの青白い血液は、細菌毒素と接触すると固まる性質があるため、医薬品の安全性と汚染物質の有無を確認する貴重な手段となっています。その感度は非常に高く、1兆分の1の汚染に対しても反応するとか……新型コロナウイルスのワクチン開発でも欠かせない検査薬だそうで、世界中の製薬会社がカブトガニの血液に依存しているのです。
ナショジオ ニュース – コロナワクチンでカブトガニ危機? 企業が頼る青い血
そのため、アメリカの東海岸では毎年多くのカブトガニが捕獲され、30%程度の血液を抜かれて、捕獲された場所から離れた海に還されますが、献血後には一定の割合で死んでしまうこと、メスの繁殖力が低下することが問題となっています。人工的な代替品の開発も進められていますが、安全性の観点から普及までには至っていません。
そんなカブトガニを取り巻く環境を憂慮していたとき、日本の高校生が発案したビジネスプランに目が止まりました。岡山県立笠岡商業高等学校の有志4人は地元に生息するカブトガニの血液を持続可能な形でワクチン開発に提供する事業計画をつくり、高校生が起業のアイデアを競う「第9回高校生ビジネスプラン・グランプリ」で3位の審査員特別賞に選ばれました。
彼らの作ったプレゼン資料は笠岡市のホームページから閲覧できます。
高校卒業後、4人は別の道に進むとのことではありますが、このようなアイデアが出せる若い世代がいるのはとても心強いと思いつつ、おじさん世代も何かできないのかと、もやもや考えさせられる今日この頃なのでした……。
では、次回もよろしくおねがいします。