ナッカルビのウラナミ『海洋保護区と漁業の意外な関係』

ナッカルビ

ナッカルビ
湘南生まれ、湘南育ちながら海との接点が乏しい半生を歩む…。 今は自分の趣味より家族を優先しがちな中年です。 会社で教わったSUPを趣味にできたら、うれしいな。IT局所属。

保護vs漁業_NO!どっちも大事!

こんにちはナッカルビです。
秋の味覚・秋刀魚(サンマ)が庶民の魚ではなくなって久しいですが、海洋資源のほとんどが天然資源だという当たり前の事実を再認識するきっかけとなりました。

持続可能な形で海洋資源と付き合っていくにはどうすればいいのか…その答えにつながりそうな研究結果が発表されました。

海洋保護区の設置と効果の検証

メキシコ西岸沖のレビジャヒヘド国立公園は北米最大の海洋保護区(2017年〜)です。保護区内で漁が禁止されてから5年後にどのような変化が起きたか調査が行われました。

漁業の大きな妨げになると商業漁業関係者は保護区の設置に反対していましたが、調査の結果は意外なものとなりました。保護される前と後で漁獲データを確認したところ、漁獲量に変化はなかったことが判明したのです。

さらに漁船追跡システムの衛星データを見ると、漁船は魚を探すために遠くまで漁に出ていなかった。つまり、商業漁船が魚を発見、捕獲する機会にも影響がないとわかったのだ。

漁業に経済的な悪影響が出るという主張は保護区を設定する際の大きな障壁となっていましたが、このような調査結果により経済的な犠牲を払うことなく、海洋生態系を保護できることがわかってきています。

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海洋保護と漁業のバランス

海洋保護区をつくることに貢献した「原始の海プロジェクト(Pristine Sea project)」を率いる海洋生態学者エンリック・サラ氏の見解をまとめてみました。

見解①

海洋保護区は大きなメスの避難場所となり、たくさんの稚魚が生育できる環境となる。その結果として、保護区周辺の漁場の健全性が高まり、漁業が潤うと考えられる。

見解②

最新ツールやデータを用いて自然保護活動家と漁業関係者の両方の主張を確認することで、より事実に基づく厳密な対応がとれる。

[参考]
National Geographic – 海洋保護区を設けたら漁業が潤う いったいなぜ?

なるほど、なるほど…
海洋保護と漁業のバランスをとるためには、より科学的な根拠に基づいた議論が求められそうです。

日本では…

日本では昔から海洋保護区に似た海域の指定を様々な方法で行ってきたそうなのですが、世界での取り組みとどう違うのか単純比較するのは難しそうです…

[参考]
環境省 – 保全戦略トップ – 海とのつきあい方:”海洋保護区”で守る

我が国が育んだ豊かな魚食文化を守るためにも、これらの海洋保護区(やそれに準ずる保護区)の有効活用が進んでほしいですね。
それでは、次回もよろしくお願いします。

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