服部予報士のウラナミ『おせち料理のエトセトラ 』

服部予報士

服部予報士
服部予報士 サーフレジェンド所属気象予報士、防災士。 小学校の理科の授業で天気に興味を持ち、大学は海洋気象を専攻。 TV・ラジオでの気象解説や、古民家イタリアレストランの店長などの経験を持つ。 「天気と海、旬の食材と話題を通して季節の移ろいを感じられる」ことを ライフワークとして、メッセージを伝えてゆきたいと思います。

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今年も残りわずかとなりました。
クリスマスが目前に迫り、お子さんが居られるご家庭では「サンタさん」を迎える準備?で忙しく、そして、クリスマスが終わったと思えば、次は大晦日にお正月と、結局のところ毎年年末は忙しい日々を送ることになるのでしょうか…

さて、個人的な話題になるのですが、いつも年末になると気になるのが「おせち料理」です。ナゼ?と問われると答えに困るのですが、単純に”食”に興味があるのと、”季節の移ろいを感じさせる行事”だからです。

そんな”おせち料理”ですが、もともと季節の変わり目の節句に、神様にお供えした食べ物を”お節料理”と呼んでいました。そのなかでも、最も重要な正月の料理だけが今の”おせち料理”として呼ぶようになっています。

このところはデパートや通販が充実し、五穀豊穣、家内安全と健康、子孫繁栄の祈りをこめた、海の幸・山の幸が豊富なお重が用意されるようになりました。ちなみに”祝い肴(いわいざかな)三種”と呼ばれる、この3つが揃えばおせちの形が整うとされる食材があります。

何だと思いますか?

それは、数の子・田作り・黒豆(関西ではたたきごぼう)です。不謹慎かもしれませんが、ココにお酒があれば、まぁ宴としては成立しそうですね。

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ところで、ご存知のように食材のひとつひとつには願いが込められており、「数の子」は子宝に恵まれ、子孫繁栄。「田作り」は豊作祈願。「黒豆」はマメに働き、マメに丈夫で元気に暮らせるように。「たたきごぼう」はごぼうのように根を深くはって代々続く。たたいて身を開くことで開運を願うのだそうです。

また、お節は祝いを重ねるという意味で、重箱に詰められていますが、「壱の重」にはお正月にふさわしい祝い肴を、「弐の重」には縁起の良い海の幸を中心とした焼き物や酢の物、「参の重」は山の幸を中心に、家族が仲良く結ばれるようにと煮物が詰められています。ご家庭によっては与の重や五の重と、お正月に合せて集う家族の人数の規模によるかもしれませんね。

自然の恵みや収穫に感謝して神様に供えた事が起源とされるおせち料理ですが、サーフィンやヨット、釣り…など、まさに自然の恩恵を受けて遊ばせて頂いているわけで、おせちが作れるわけではありませんが、改めて自然の恵みに感謝したいものです。(了)
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