こんにちは、服装を気にしない生活に慣れてしまったナッカルビです。
そんな私が言うのもなんですが……皆さんは第一印象に気をつけていますか?
初頭効果によれば、最初に受けた印象がその後の評価に大きな影響を与えます。
例えば、私は作業用の自律型ロボットに少し不気味さを感じます。ただ、ちょっとした工夫で改善できるようです。
今回は、初頭効果とロボット犬の事例を通じて、これからのロボット技術における見た目の重要性について考えます。
初頭効果とは?
初頭効果とは、最初に与えられた情報が後の情報に影響を及ぼす現象を指します。
人や物に対する第一印象は長い間残り続けるのです。初対面の人に会った時、人は一般的に3〜10秒でその人の第一印象を決めます。
初頭効果は、ポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュ氏が1946年に行った印象形成の実験によって提唱されました。
初頭効果の実験
アッシュ氏は「まったく同じ特性」を持った二人のキャラクター(Aさん、Bさん)を使い、被験者に提示して受ける印象を調べました。
二人とも「知的・勤勉・衝動的・批判的・頑固・嫉妬深い」という6つの特性を持っていますが、その特性を紹介する順番だけを変えました。
Aさん:「知的 ⇒ 勤勉 ⇒ 衝動的 ⇒ 批判的 ⇒ 頑固 ⇒ 嫉妬深い」
Bさん:「嫉妬深い ⇒ 頑固 ⇒ 批判的 ⇒ 衝動的 ⇒ 勤勉 ⇒ 知的」
その結果、被験者はAさんに対しては良い印象を、Bさんに対しては悪い印象を抱きました。
これは、「人は最初に与えられた情報が最も残りやすい」ということを示しています。
ロボット犬「Sparkles」と初頭効果
以下の紹介記事では、第一印象(外見の変更)だけでロボットへの評価が大きく変わることがわかります。
Boston Dynamics社の犬型ロボット「Spot」にモフモフを着せた途端に、その動きがリアルに見えるようになり、親しみやすさが爆上がりしました。
この着ぐるみをまとったロボット犬「Sparkles」は、劇的なイメチェンによりネガティブな印象を払拭したようです。
中身は同じなんですけどね……この事例は、第一印象がどれほど重要かを実証しているのではないでしょうか。
ロボットが生活に溶け込む世界へ
日本では漫画やアニメの影響が強く、ロボットとの親和性が高い国民性だと言われています。
特に見た目や動きへのこだわりが強く、親しみやすさや安心感を重視している傾向があります。
例えば、GROOVE Xの「LOVOT」やソニーの「AIBO」などがその代表例です。
一方で、海外では機能性や効率性に重点を置くことが多く、見た目や感情表現に対するこだわりが少ない傾向にあります。
ただ、ロボット犬「Sparkles」のように、見た目を少し工夫するだけで印象を大きく変えることができる可能性があります。
生活に溶け込んだ身近な例として、すかいらーくグループで稼働中の猫型配膳ロボット「BellaBot」が思い浮かびます。
このロボットは中国のPudu Robotics社が作っているものではありますが、親しみやすさへの配慮も感じられます。
機能性や効率性を重視しつつも、親しみやすさをどう演出するかが、普及させるためには重要なようですね。
これが日本製でなかったことは少し残念です……
ロボット分野においても、海外勢に押され気味の日本ではありますが、今後のロボットに求められる親しみやすさへの配慮は日本人が得意なところでもあるので、挽回していってほしいところですね。
では、次回もよろしくお願いします。