こんにちは、ナッカルビです。今回は食料問題や環境問題の切り札となる可能性をもつ培養肉についてご紹介します。
培養肉は、動物を飼育することなく、研究室で動物から取った細胞を使って作られる新しいタイプのお肉です。
まだ、未来の話かと思っていましたが、世界ではどんどん実用化が始まっています。
シンガポールの動き
シンガポールは、 2020年12月に培養肉の販売を世界で初めて許可しました。「イート・ジャスト」という新興企業が培養鶏肉の販売を開始することになり、大きな注目を集めました。
アメリカの取り組み
アメリカもシンガポールに続き、2023年6月に培養肉の販売の許可を出しています。カリフォルニアを中心に、複数の企業が積極的な取り組みを展開しています。目標は、スーパーマーケットや多くのレストランで培養肉が提供されるようにすることだそうです。
培養肉について今知っておきたいこと、いよいよ米国のレストランで提供開始
培養肉のメリット
新しい食の選択肢として注目される培養肉ですが、そのメリットは以下の通りです。
環境への影響が少ない: 通常の肉生産よりも水や土地の消費が少ないとされており、温室効果ガスも削減できるとされています。
動物の福祉: 動物を飼育、屠殺することなく、肉を生産できるため、動物の福祉の観点からも評価されています。
衛生管理の徹底: 衛生管理が徹底された環境で細胞培養するので、一般的な畜産肉に比べて食中毒のリスクを大幅に低減することができます。
課題や懸念点
しかし、培養肉にもいくつかの課題や懸念点が存在します。
コスト: 現在の培養肉の生産コストは高いため、一般的な肉の市場価格を下回ることが難しいとされています。(2030年頃に同等程度の価格になることが期待されている)
受け入れ: 一般的な肉とは異なる生産方法のため、消費者の受け入れが必要です。実際に宗教上の取り扱いで混乱が起きているようです。(不殺の肉であれば食べて良いのか?など)
栄養価: 一般的な肉との栄養価の違いや、添加物に関する懸念も挙げられています。(細胞培養などに使う、薬品に関するリスクなど)

シャーレによってハンバーグ状に形成された培養肉(Wikipediaより転記:CC BY 3.0)

ハンバーグとして調理中の培養肉(Wikipediaより転記:CC BY 3.0)
まとめ
人口増加と気候変動は、食糧供給と環境に大きなプレッシャーをかけています。こうした背景の中で、培養肉は新たな解決策として期待されています。従来の畜産よりもリソースの消費が少なく、温室効果ガスの排出も削減する可能性があります。
培養肉にはまだ多くの課題が残されていますが、未来の食糧と環境のバランスを考える上で、無視できないものとなるかもしれません。
あと、代替肉の中では培養肉が一番おいしそうなので、個人的には早く試してみたい気持ちがあります。
シンガポールではお店で培養鶏肉を食べれるみたいですし、行く機会があれば(ないけど…)食べてみたいです。
噂の培養肉に迫る!シンガポール「Good Meat」実食レポート
では、次回もよろしくお願いします。