お世話になった漁師のSさんの自宅にアポイントの電話を入れると、漁師さんは船釣りに行って、昼過ぎには陸に戻ってくるとのことなので、お邪魔するには良いタイミングでした。
石巻港を出発して北上川の川沿いを河口に向かいました。途中で7年前の津波により大勢の子供たちが亡くなった「大川小学校」の震災遺構があります。ここを通るたびに、悲しい気持ちになり胸が締め付けられます。
津波被害のあった石巻市立大川小学校(震災遺構)
大指漁港に到着すると、顔なじみの船長さんが声をかけてくれました。
「面白い実験をしているから、見てってよ」と、漁港のはずれの奥にあるテントへ案内されました。
十三浜の大指漁港
テントの中にはたくさんの水槽が置かれていて、その中のカゴに大きな養殖用の岩ガキが入っていました。
岩ガキはすでに20センチ以上はあるのですが、まだまだ大きくなるとのことです。
養殖試験中の岩ガキ
こちらはホタテ貝の実験カゴ
養殖実験は漁師さんたちのチャレンジだ!
この北上川近辺の主だった漁業は「定置網漁」と「ワカメの養殖」とのことで、石巻漁港や牡鹿半島に比べるとカキ筏(いかだ)は盛んではないそうです。そこで岩ガキの養殖で、新たな商品開発にチャレンジということです。
2年前にはなかった事業で、水温の管理などいろいろとご苦労されているようでした。
旧知の仲の船長さんが笑顔で出迎えてくれました(右)
震災の前後を比較しても、漁師さんたちの海との接し方は基本的に変わらないそうですが、震災後は、事業を多角化することでリスク配分を考えている漁師さんもいるとの事です。
多角化の一例として、空き地利用が難しい急勾配の敷地には、売電用の太陽光パネルが並べられたりしていました。
また年配者が多い漁師さんたちは、以前はガラ携が多かったのですが、防水のスマホに機種変更された方も増えていました。漁業の現場で働くゴツイ手、その荒れた指先は、タッチパネルの操作は不向きなのでしょうか、それらの中でもボタン操作のできるタフガイ仕様のガラホは、なかなかの人気のようでした。
定置網用の漁船は上架式クレーンが着いています
漁師さんたちのお話を聞き終え、お礼を言って帰ろうとすると、
「兄ちゃん、またいっしょに船に乗って漁しようなあ。」とお誘いを受けました。
(残念ながら、どう見ても兄ちゃんではない…のですが、ウレシイです)
さらにウレシイことに「夜に一緒に飲みたかったけれど、せめて昼飯は食べてって」と、
盛りだくさんのお昼をご馳走になりました。
漁師さんのご自宅でご馳走になってしまいました
すっかりお世話になってしまいましたが、また今度ゆっくり釣りをする約束をしてきました。
よく見ると前回お渡しした「波伝ステッカー」が、いろいろなクルマに貼ってくれていました
最後には海快晴の会員にもなっていただきました。
大指漁港の漁師の皆さん、ありがとうございました。
ぜひ、またお寄りしたいと強く思った石巻市への出張となりました。
Byハンマー