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先日、逗子の文化プラザホールに行ったさいに、ホールのロビーには、大きなオブジェが吊されていました。
手こぎボートとくらげ(おばけ?)のように見えます。
よくよく、見ると、海に流れ着いたプラスチックで作られていました。
海洋プラごみの問題、マイクロプラスチックの問題は誰もが耳にしたことがあるでしょう。
数年前、カメの鼻にストローが刺さってしまっていた、ショッキングな映像がSNSで拡散されていました。そのほか、タイの海岸に打ち上げられたクジラの胃の中からプラスチック製の袋が約80枚見つかったというニュースや、2018年夏、鎌倉市由比ガ浜でシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げられた際も、胃の中からプラスチックごみが発見されました。砂浜で骨化した鳥の内部から大量のプラスチックが出てきたり・・・多くの海洋生物が傷つけられたり亡くなっています。
鎌倉漂着クジラ、胃からビニール片 「海洋ごみに関心を」(2018年8月カナロコ)
プラスチックはとても便利な材料です。硬くて丈夫で壊れにくい容器や、複雑な形の部品などを安くて簡単に作ることができます。私たちの生活は便利になりましたが、身の回りにどんどんプラスチックが増えていきます。
アメリカのある研究者たちの計算によると、プラスチックが世界中で使われるようになった1950年〜2015年までに生産されたプラスチックの量は83億トン(リサイクルできたプラスチックは含まない)で、このままの状態が続けば2050年までに300億トン以上のプラスチックを作ることになると予想されているそうです。
さらに、1年間で800万トンが海に流れ出ているというのです。
2015年9月の国連総会にて、世界の国々が話し合い、2030年までに世界が取り組むべき17の目標として【SDGs「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」】が決められました。
海洋プラスチックをはじめとする海洋汚染の問題は、以下の課題として大きく取り上げられています。
SDGs 目標14
海の豊かさを守ろう
海の豊かさを守るためには海洋プラスチックの削減に取り組む必要がある
SDGs 目標12
つくる責任 つかう責任
3Rを心がけて、プラスチックごみを減らす活動を進める必要がある
SDGs 目標3
すべての人に健康と福祉を
マイクロプラスチックは海洋資源の破壊だけでなく、海産物経由で私たちの健康へ影響する可能性がある
レジ袋が有料化されたり、プラスチックストローを廃止する企業が続々現れ、サーフレジェンド社内でもマイボトルが推奨されたり、問題が身近なものとなり、手をあげる企業も多く現れています。
レジ袋はもらわなくなったけれど・・・やっぱりゴミを捨てるのに必要だからゴミ袋を買っていたりして、テイクアウトやデリバリーによるパッケージがプラ製品だったり・・・便利さゆえ、手放しがたいものであります。
でも、ものを手にした時や捨てる時に、これ袋に入れる必要あるかな?紙袋で代用できないかな?リサイクル可能なものかな?何度もリユースできるものかな?と意識したいと思います。
みんなが意識して、みんなが考えることで、きっと少しずつ世の中が変わっていくと信じています。
海から上がったばかりのサーファーが、サッと片手でスマートにビニール片を拾っていきました。
ささいなことから心がけ、最近遠のいてしまっていたのですが、子供と一緒にビーチクリーンに参加して、一緒に考えていきたいなと思います。
参照:
・クジラのおなかからプラスチック-保坂-直紀|書籍
・海の豊かさを壊すマイクロプラスチックとは?|ベネッセ 教育情報サイト
・第4回 海洋プラスチックごみの問題と、 解決に向けて私たちができること|NTT
・「かながわプラごみゼロ宣言」―クジラからのメッセージ―