唐澤予報士のウラナミ『台風22号とGPSウォッチ』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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皆さん、台風22号の波は満喫されましたでしょうか。

なお、被害に合われた皆さまや、いまも避難所生活をされている被災者の皆さまには、心からお見舞い申し上げます。

湘南では9月13日(木)ころから南東寄りのうねりが入り始め、次第にうねりの向きが南~南西寄りにシフトしつつ、最終的には19日(水)まで7日間に渡り波が続きました。

今回の台風で特筆すべきことが一つあります。通常、東・西日本の太平洋側では、台風が北(北東~北~北西)寄りに進路をとり、北緯20度線を越えたあたりからうねりが入り始めるといわれています。しかし、台風22号は北上することはなくてフィリピン~大陸に向けて西~西北西進を続け、北緯20度線を越えたのは日本にはうねりの入ってきづらいフィリピン~台湾の間を抜けて中国華南地方の南海上に達した時からでした。

 
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この台風の進路は、ほぼほぼ予想されていたものと同じでした。自分の予想では、13日(木)ころからうねりが入りだすとは考えていたものの、サイズ的には大きくなることはなく、台風のうねりとしては物足りないサイズのままになるのではないかといったところでした。

しかし、湘南藤沢辻堂周辺では、13日(木)は腰~腹程度のサイズでしたが、14日(金)は干潮前後にはセット間隔は長いながらも肩~頭サイズ。15日(土)はいったんサイズダウンしつつも、16日(日)には頭~頭半サイズ、そして17日(月・敬老の日)には頭半~ダブルサイズ、18日(火)にはややサイズダウンしつつも頭半サイズが残りました。

クライマックスは、上記にあるように17日(月・敬老の日)。前日の夜から当日の未明にかけて数値予報や関東・東海エリアの波浪計の確認する限り、十分なサイズがあるのは予想できたので、久しぶりに6‘6のセミガンを準備。午前4時30分に起きて諸々の準備をして午前5時に辻堂の海につくとまずまずの波がさく裂していたのでした。ぱっと見でも頭~頭半サイズ。そして実際に海に入ってみると、かなり遠くの台風からのうねりということもあって、セット間隔は長いのですが、そのセットは頭半~ダブルサイズはあるではありませんか。
 
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用意した板が6‘6と長いこともあり、乗ること自体はさほどハードではなく、何本かのロングライドを気持ちよくメイク!! 今年一番のロングライドができました。しかし、ハードなのはゲッティングアウト。ビーチでこれだけのサイズがブレイクしていると、流れがものすごく強いのです。セット間隔が長いために、アウトに出てしまえばさほど問題ないのですが、ミドル辺りでは絶え間なく波が割れており、流れも半端ではありません。アウトから乗ってミドル辺りでプルアウトをして再びゲッティングアウトというのを数本繰り返しているうちに、強烈な流れにつかまってしまい、あっという間に東に流されているではありませんか。何とかアウトに出てビーチを見てみると、全然景色が違っているのです。自分はランニングのためにGPS内蔵ウォッチを持っており、サーフィンの時もトラックを残すために使用しているのですが、その時のトラックの記録が下の画像となります。

 
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画像を見るとよくわかるのですが、ミドル付近で何本もの割れる波を越えようとしている間は、ほとんど沖に向かって進むことができずに、とにかく東へと流されているのです。湘南でサーフィンをされる方なら分かるかもしれませんが、辻堂第二ポイントの少し東側からエントリーして、気が付けば地下道ポイント近くにまで流されているのです。この距離をパドルで戻るのは大変なので、一本ビーチ付近までロングライドした際にいったん海から上がり、テケテケとビーチを西に向かって数分間かけて歩き、再び始めに入った所からエントリー。その後数本乗ったのちに、下半身・上半身ともに疲れてガクガクとなったために、その日のサーフィンは終了としました。

このようにGPSウォッチを着けて海に入ると月間や年間の海に入った回数がわかるうえに、実際にどれだけの時間・距離サーフィンしたのかがわかります。そして、今回のようにいかにハードな波だったかも客観的なデータで残ります。昔は値段の高かったGPSウォッチですが、今ではエントリーモデルであればさほど高くない値段で手に入れることができます。サーフィンの記録を残したいという方は、是非手に入れて活用することをおススメします!!

 
 

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