唐澤予報士のウラナミ『2025年・今後の台風予想』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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2025年7月5日(土)・湘南鵠沼の台風3号によるうねり

んー、台風の波が少ない……。このウラナミを書いているのは2025年7月10日ですが、この時点で発生している台風は台風4号まで。
ニュース等でご存じの方もいるかもしれませんが、今年は台風1号の発生が例年よりも遅くなっています。しかも台風1・2・4号は、日本から遠く離れた所で発生・消滅となっており、あまり影響はない状態。現時点でしっかりとしたうねりをもたらしてくれたのは台風3号のみ。しかし、この台風3号も、あまり発達しないままで日本の東海上を北上して衰弱。湘南でしっかりとサイズアップしたのは2日のみで、それも肩程度のサイズでした。


同じく、2025年7月5日(土)・湘南鵠沼の台風3号によるうねり

一方で、千葉~北海道では、クローズすることなく、手頃なサイズで南東うねりが続きました。羨ましい!

7月5日(土)千葉志田下ポイントの台風3号によるうねり

とはいっても、まだ台風シーズンに入ったばかり。これから10月にかけて台風シーズンの本番となるので、気合いを入れて海に向かいたいと思います。

そんなわけで、これから3ヶ月間の台風がどうなるかを考えてみたいと思います。(あくまで、一人の気象予報士としての思案です)

結論としては、台風の発生数は例年より多くなるのではないかと思います。まず、現在は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっており、秋にかけて平常の状態が続く可能性が高くなっています。エルニーニョ・ラニーニャ現象が発生する時の、特徴的な気象現象が起きることはなさそうです。では、なぜ台風の発生数が多くなるかというと、台風の発生域であるフィリピン東方海上の海面水温が高いためです。そのため、積乱雲の発生も多いことが予想されています。台風の卵の積乱雲が発生しやすければ、それだけ台風が発生しやすくなります。

台風の進路ですが、日本の南海上にまで北上してきやすいと思います。これは、太平洋高気圧・チベット高気圧が平年よりも北へ強く張り出しているためです。台風は高気圧の縁に沿って北上してきます。つまり、この二つの高気圧が平年よりも北に位置しているので、台風は日本の南海上まで北上しやすくなると考えられます。ついでに、台風が一定位置まで北上した後、この二つの高気圧がその進行を防いでくれれば、台風が直撃することなくうねりだけが届く、なんてこともあるかもしれません。

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さて、それでは、どれだけの台風が発生するかというと、台風の平年値は以下になっています。この数よりも多くなるかもしれません。
8月;5.7個
9月;5.0個
10月;3.4個

この通りかそれ以上の発生数であれば、これから3ヶ月は、ほぼ1週間に一個は台風が発生、ということになります。エリアによって違いはあるかもしれませんが、これからの台風シーズンが、一年の中のハイライトとなる所もあるでしょう。皆さん、良い波を当ててくださいね!

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