唐澤予報士のウラナミ『見上げよう!!』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

アイキャッチP_20180409_122515 飛行機雲 

「観天望気」という言葉をご存知ですか!? おそらく初めて聞いた方も多いかと思います。観天望気とは、大空の色や雲の形を観る「観天」と、風の強さや流れを感じる「望気」を合わせた言葉で、簡単に言えば空・雲・風・空気を感じ見て天気の変化を予想することです。天気予報のない昔から農業や漁業に携わる人々は、この観天望気で天気を予想し、登山をする方は雲の形などから山の天気や安全を予測していました。天気にまつわる諺も観天望気の一種となります。この天気にまつわる諺も科学的な裏付けがあるものがあります。例えば、「燕が低く飛ぶと雨」という諺があります。これは、雨の前兆で湿度が高くなって空気中の水蒸気が多くなると、燕の餌となる小さな虫が高く飛ぶことができず、燕も低く飛ぶ、ということになるのです。

ここで、ものすごく簡単な観天望気の一つを皆さんに紹介します。それは、「飛行機雲がずっと残って太くなると天気が悪くなる」というものです。ジェット飛行機の排気ガスには水蒸気とちりが含まれています。飛行機が飛んでいる高度10000mの-50℃程度の冷たい空気の中で、この水蒸気が氷の粒となって浮いて飛行機雲ができます。上空の空気が乾燥していると、この飛行機雲はすぐに水蒸気=気体となって消えるのですが、低気圧の接近などで上空の空気が湿っていると、氷の粒は水蒸気に変わることなくずっと残って太くなり、次第に巻積雲や巻雲と呼ばれる雲へと成長します。

いまや、スマホなどによってどこにいても詳しい天気予報を簡単に手に入れることができるようになりましたが、ふと思いついた時には空を見上げてみてください。そんな時に飛行機雲があったら、その後どうなっていくか観察し、自分で天気を予報してみてください。何となく、地球や自然と一体化した気持ちになれますよ!!

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