服部予報士のウラナミ『おはぎ?ぼたもち?』

服部予報士

服部予報士
服部予報士 サーフレジェンド所属気象予報士、防災士。 小学校の理科の授業で天気に興味を持ち、大学は海洋気象を専攻。 TV・ラジオでの気象解説や、古民家イタリアレストランの店長などの経験を持つ。 「天気と海、旬の食材と話題を通して季節の移ろいを感じられる」ことを ライフワークとして、メッセージを伝えてゆきたいと思います。

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カレンダー的には9月~10月は秋とされつつも、秋雨前線を境に夏と秋が行き来し、暑かったり寒かったりと体調崩しやすい季節でもあります。また、夏の高気圧が徐々に衰退するところに合わせて、台風の進路は本州を通るコースへと移り、8~9月は台風シーズンでもあります。

さて、先日の秋のお彼岸では、当然のようにご自宅やスーパー、和菓子屋さんで「おはぎ」を見かけたことと思います。

あれ?おはぎ?ぼたもち?どっち?どちらも全く同じもののハズ。同じものなのに、呼び名が2つ。ナゼでしょうか?

そもそも「おはぎ」や「ぼたもち」を見かけるシーズンのお彼岸を考えてみましょう。

お彼岸は春と秋の1年に2回。
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そして「おはぎ」と「ぼたもち」を漢字に置き換えると「お萩」「牡丹餅」となります。

そう、春のお彼岸の頃に咲く「牡丹」の季節は「ぼたもち」、秋の「萩」の花咲く季節は「おはぎ」と使い分けしているんですね。

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そして違いは大きさにもあるようで、ぼたもちは牡丹の大きな花をイメージして「丸く大きく」、おはぎは萩の可愛らしい小さな花をイメージして「すこし細長」に作られるようです。

さらに小豆の収穫時期にあたる秋は、皮まで美味しく食べられるのでつぶあん。春は保存した小豆を使うことから皮が固くなるため、皮を取り除いたこしあんとも言われています。

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ちなみに夏は「夜船(振り仮名;よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」と呼ばれます。

おはぎは杵を使わずに作られるお餅ゆえに「つきしらず」。お餅をいつ搗(つ)いたか分からない。夜でいつ着いたかわからない、、という言葉遊びで「夜船」。冬は同様「月知らず」から「北窓」なのだそう。

まぁ、強引と言われれば、そこまでなのですが、、、、

見た目も中身も同じ和菓子を、季節によって呼び名を変えるなんて、四季ある日本ならではの風流な文化のように感じられます。

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