服部予報士のウラナミ『月々に月見る月は多けれど… 』

服部予報士

服部予報士
服部予報士 サーフレジェンド所属気象予報士、防災士。 小学校の理科の授業で天気に興味を持ち、大学は海洋気象を専攻。 TV・ラジオでの気象解説や、古民家イタリアレストランの店長などの経験を持つ。 「天気と海、旬の食材と話題を通して季節の移ろいを感じられる」ことを ライフワークとして、メッセージを伝えてゆきたいと思います。

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このウラナミが、世に出る頃には時期遅し…と思いつつ、、、

この所、朝晩は比較的涼しく、秋の気配を感じることも多くなりました。秋雨前線の影響で曇りや雨の日もあったりして、季節の変わり目といったところですね。で、最近夜空を見上げたことはありましたか?

先日9月15日は「中秋の名月」で、秋の収穫に感謝するお祭りとして現在は定着しています。多分。ひょっとして、お団子とか小芋の煮っころがしを食べる日でしょ?と思っている方もおられるかと思いまして。

秋になると、空気は夏や春に比べて乾燥し、月が鮮やかに見られるようになります。冬も見られますが寒いので、やはり秋がお月見には良い季節と言えそうです。「月々に月見る月は多けれど、月見る月はこの月の月(詠み人知らず)」と詠まれ、十五夜の満月はもてはやされるほどでした。

ところで十五夜は決して満月ではないんですよね。月と地球の公転軌道の関係で、新月~満月までの日数が14~16日間と差があるためなんですね。このお月様は、およそ30日かけて満ち欠けするわけですが、その変化してゆく形に、それぞれ名前がついています。

moon

十六夜(いざよい):月が出てくるのをためらっている(いざよう)月
立待月:さらに月の出が遅くなり、まだかまだかと立って待つ月
居待月:待ちくたびれて座って待つ月
寝待月:寝て待とう…
更待月:夜も更ける頃…
有明月:夜明け(有明)の空に昇るから

そして、十五夜と並んで十三夜、十日夜にもお月見行事があり、十五夜の後に巡ってくる十三夜は、十五夜の次に美しい月だとされてきました。十五夜または、十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片見月」と呼び、縁起が悪いとも言われています。

晴れて空気が澄んだ夜、たまには夜空を見上げてみては如何でしょうか?

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