こんにちは、ナッカルビです。
今日は、街なかでふと目にする不思議な存在「超芸術トマソン」についてお話ししましょう。
日常の風景の中に隠されたこのユニークな芸術概念。その奥深い魅力に迫ります。
超芸術トマソンとは?
「超芸術トマソン」とは、美術家であり作家の赤瀬川原平氏が提唱した芸術概念です。
不動産に付属しながらも、実用性を完全に失った「無用の長物」を指します。例えば、どこにも繋がらない階段や、開けることのできないドアなどがその代表例です。これらは非実用的でありながら、不思議と美しく保存されている点で、まるで意図的に展示されたアート作品のように見えるのです。
ちなみに、「トマソン」という名称は、かつて読売ジャイアンツに所属していた外国人選手ゲーリー・トマソンに由来します。彼は期待されたものの成果を残せず、それでもチームに残り続けた姿が「無用の長物」と重ね合わされたため、この名前が付けられました。(ちょっとカワイソウ…)
街で見つけるトマソン
街を歩いていると、思わぬところで「トマソン」に出会うことがあります。
例えば:
- 無用階段:上り下りできるものの、どこにも繋がらない階段。
- 無用扉:壁に埋め込まれたまま開けることのできないドア。
- 無用窓:塞がれてしまい役割を失った窓。
- 残留物件:取り壊された建物の痕跡だけが残った壁や柱。
これらは一見するとただの不具合や放置された構造物ですが、その存在感や佇まいには独特の美しさがあります。

無用階段の例(Benzoyl / Wikimedia Commons, CC BY 2.0)
トマソンの意義と楽しみ方
超芸術トマソンは、「誰も意図して作ったわけではない」点が重要です。
つまり、これらは偶然生まれたものですが、その偶然性こそが鑑賞者に新たな視点を提供します。
普段何気なく通り過ぎている場所も、トマソンを探すことで新たな発見と驚きを得ることができるでしょう。
また、この概念は「路上観察学会」という活動にも発展しました。都市空間をフィールドワークとして探索し、その中からユーモラスで興味深い存在を見つけ出す楽しさは、多くの人々を魅了しています。
トマソンと未来へ
超芸術トマソンは、ただの「無駄」ではありません。
その中には、人間の営みや歴史、そして偶然性が織り込まれています。
それを発見し楽しむことで、私たちの日常生活も少しだけ豊かになるかもしれませんね。
ほら、皆さんも街を歩くときにちょっと周りを見回してみたくなりませんか?
次回のお散歩では、ぜひ「トマソン探し」に挑戦してみてください!
では、次回もよろしくお願いします!