米山予報士のビギナー向けやさしい気象コラム 『第1回:風波とうねりの違いを覚える』

米山予報士

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サーフィンが趣味で、湘南を拠点に波情報をお届けする仕事をしています。 サーファーの皆さまが安心して海を楽しめるよう、役立つ情報を提供することを心がけています。 皆さまのサーフィンライフがより充実したものになるよう、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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― 波の違いを知ると、サーフィンがもっと楽しめる ―

サーフィンを始めたばかりの人にとって、「今日は風波(かぜなみ)っぽいね」「うねりが届いてるよ」といった言葉は少し難しく感じるかもしれません。
でもこの風波とうねりの違いを知るだけで、波情報がぐっと分かりやすくなり、海の見方が変わります。

風波とは?

風波はその名のとおり、近くで吹く風が直接海面を動かして生まれる波です。風が強いほど波は短くバラつきやすく、全体的にザワついた印象になります。波情報では「バラけた」「まとまりに欠ける」「ガタガタ」「ジャンク」といった表現で示されることが多いです。

天気が崩れて風が吹き荒れる日は、まさに風波のコンディション。波の周期(波と波の間隔)も短く、割れ方が不規則で至る所で次々と波が割れるため、乗ってみないと分からない、どの波を選べばいいのか難しく感じることも多いです。

また、沿岸ではオフショア(陸からの風)で面が整っていても、すぐ沖ではオンショア(海からの風)が吹いていて、うねりがバラけているケースもあります。

見た目はきれいでも、実際に入ると波がバタつく。そんな日は風波の影響を受けている可能性があります。
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うねりとは?

うねりは、遠くの海で吹いた風が生み出した波が、エネルギーを保ったまま伝わってくる現象です。

発生源から何百キロも旅をして届くため、波のラインが長く整っています。

台風や低気圧などによって遠くで作られた波は、距離を進むうちに表面のザワつきが消え、サーフィンに適したクリーンな波になり、地形次第では形良く割れることもあります。

ただし、はるか東海上の高気圧などが要因となるうねりもあり、必ずしも大きなサイズになるわけではありません。
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違いを感じてみよう

つまり、風波は「その場で風が作る波」、うねりは「遠くで生まれて届く波」。

これを意識して海を見てみると、波の性格の違いがはっきりと見えてきます。

最初は「今日はバラついてるから風波だな」「今日はまとまってるからうねりだ」と感じられるだけで十分です。海を見たり、入りながら少しずつ体感で覚えていけば良いと思います。

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