☆加藤のウラナミ『湿潤療法を自分のケガで人体実験!!』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安全安心な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

6/23湿潤パッドを貼り、患部の足を心臓よりも高くして出血を抑制しました

※(ご注意) 最後の方に、傷口から血が出ているリアルな写真がありますので苦手な方はご注意ください。

前回の☆加藤のウラナミ『小さな傷口でも決して侮らない』で取り上げ、また☆加藤のコラム『韓国襄陽(ヤンヤン)へ導かれたサーフトリップ』にもご紹介した通り、5月末に2泊3日の弾丸ツアーで韓国ヤンヤンにサーフトリップしてきました。

しかし、行く直前の公私のスケジュールが一杯で、その疲労と睡眠不足から免疫力が低下したのか、左足の指間の小さな傷口からばい菌が入り、左足の先から付け根の股関節までリンパ腺に沿って赤く腫れあがり、痛みも酷(ひど)くなってまともに歩けず、救急病院に駆け込みました。診断は、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という病気で、そのままにしていれば重症化して足の切断や命に関わる決して侮(あなど)れない病気でした。

数日後に予定していたインドネシアの南スマトラへのサーフトリップは、病状が入院する必要があるほどだったのでドクターストップとなりました。(涙)
しかし、その後の病院での抗生物質の連日の点滴が功を奏して徐々に回復してきたため、チケットを取り直して4日遅れで追いかけることにしました。
そして、南スマトラから帰国した6月後半の金曜日の夜のことです。いつものように七里ガ浜正面の夜間特別チェック(不定期で午後10~11時の間に更新)をしていたところ、事故!?が起きてしまいました。

いつもはポイントの正面にあたる駐車場の階段の上からサーフチェックするのですが、その日はすでにそこには寄り添っているカップルが…
その熱きカップルの邪魔をしても気の毒なので、配慮して7~8m離れた場所からサーフチェックをすることにしました。そこは駐車場の端にあたるため、排水用の溝が設けられていますがフタはありません。幅も深さもおよそ50~60cmくらいでしょうか、微妙に危険なのです。
その時は十分に気を付けて、溝を跨(また)いで駐車場の端に立って入力することにしました。
夜間の真っ暗な時に波をチェックするのは難しく、経験がものを言いますが、私の場合はもう20年以上もやってきていますので毎回楽しく入力しています。
また、夜の巡回パトロールの仕事を終えた知り合いのサーファーの○君が、『あしたの波はどうすか?』など声をかけてくることもあります。

私は波情報以外の気がついたことも打ち込むため、入力を終えるには最低でも20分、長ければ40分くらいの時間がかかります。
ようやく入力を終えたので気が緩んだりのでしょうね、すっかり溝があることを私は忘れてしまいました。暗いこともありましたが、振り返って二歩目に左足を溝に落としてしまいました。落としただけならば良かったのですが、歩き始めで勢いがあったせいか、左足の弁慶の泣き所を思いっきり溝の上部のコンクリートにぶつけてしまったのでした。
『いててててて~…』『ウム~やっちまったぁ~、いててててて…』
膝上までのワークパンツを履いていたので、ダイレクトに素肌のスネを溝に当ててしまい、すぐに出血してきました。

出血している片足を引きずりながら国道を渡り、停めていたバイクまで行って、いつもバイクに載せている救急バックから、ガーゼを取り出して血をふき取りました。
真っ暗なところではまともな治療も出来ないのですぐに帰宅して、ふと思いました。
これも何かの運命、ちょうど「湿潤療法」を学び、専用の傷当てパッドを買ったばかりだったので、「湿潤療法」は本当に早くきれいに治るのか、自分の足のケガで人体実験をしよう~、と。
「湿潤療法」とは、まずは切り傷などの傷口を、水道水(発展途上国の場合はミネラルウォーターの方が安心)でばい菌や血液などを洗い流し、湿潤療法の傷当てパッドを張ることで外気を遮って傷口をジュクジュクにした状態をキープして、本来人間に備わっている治癒機能を生かして、早くきれいに治す療法のことです。

従来奨励されていた消毒薬は、逆に傷を治す治癒機能を殺してしまうので、今はあまり使われていないようです。また、乾燥させてカサブタにすることも、治るのが遅く傷口もきれいではないので今では奨励されていません。
傷口を水で洗い流し、傷口などに残っている水滴を吹いたら、湿潤療法パッドを貼り(1~2日で交換)、乾燥させずにいると数日で治るとあります…
さて、実際に私のケガは治ったのでしょうか? 気になるその経過をとくとご覧くださいませ。

6/23受傷してすぐの状態 帰宅したら再び出血が…

6/23受傷してすぐの状態 帰宅したら再び出血が…

6/23湿潤パッドを貼り、患部の足を心臓よりも高くして出血を抑制しました

6/23湿潤パッドを貼り、患部の足を心臓よりも高くして出血を抑制しました

6/25受傷後3日目の様子 すでに傷口が塞(ふさ)がってきています

6/25受傷後3日目の様子 すでに傷口が塞(ふさ)がってきています

6/26受傷後4日目の様子 さらに良くなってきました

6/26受傷後4日目の様子 さらに良くなってきました

6/27受傷後5日目 サーフィンしたかったので水の侵入を防ぐハイドロコロイド包帯を使用しました

6/27受傷後5日目 サーフィンしたかったので水の侵入を防ぐハイドロコロイド包帯を使用しました

6/27受傷後5日目 かなり傷口が塞がりました

6/27受傷後5日目 かなり傷口が塞がりました

6/29受傷後7日目の様子 パッドを剥(は)がしても良いくらいになりました

6/29受傷後7日目の様子 パッドを剥(は)がしても良いくらいになりました

6/30受傷後6日目の様子 感激するほどまで治り、湿潤療法って素晴らしい!!

6/30受傷後6日目の様子 感激するほどまで治り、湿潤療法って素晴らしい!!

7/2受傷後8日目の様子 傷口の皮膚が痒(かゆ)くなって剥(む)けてほぼ完治しました~

7/2受傷後8日目の様子 傷口の皮膚が痒(かゆ)くなって剥(む)けてほぼ完治しました~

私の人体実験いかがでしたか? 湿潤療法は早くきれいに治ることが分かりましたね。
湿潤療法の傷当てパッドは色々な種類が発売されていますが、多くの医療機関でも使われているプラスモイストは、傷の大きさに合わせて切って使えるので安価なうえ便利です。
これからの季節、肌を露出してサーフィンする機会が増えるかと思います。ぜひ、救急箱の中に、湿潤療法用の傷当てパッドを入れておくようにしておきましょう。(了)

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