☆加藤のウラナミ『驚愕の細菌感染症についてVol.2』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安心安全な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

コラム2

受傷後6カ月近く経ってかなり回復した患部の様子

 

【重要なお知らせ】
Vol.2にも“大変ショッキングな感染症の傷口写真”を掲載しています。苦手な方は閲覧をご遠慮くださるようお願いいたします。

 

N氏は長期入院により身体が痩せて体重が11kgも減ってしまい、いまはリハビリ中の身ですが、落ちた筋肉を取り戻そうと、なるべくサーフィンし、海がフラットの時でもパドリングトレーニングを続けているそうです。
今回唯一良かった点は、体重が大きく落ちたために、長年“腰痛持ち”だったのが治ってしまったことだそうです。

ICUでの緊急治療により、患部が良くなってきたときの写真

ICUでの緊急治療により、患部が良くなってきたときの写真

サーフィン中のケガとしては、波に巻かれた際にフィンやサーフボードでケガをする場合と、リーフにヒットしたことによるケースが多いと思いますが、小さな傷口でもすぐに洗浄し、湿潤絆創膏などで保護することと、もしも傷口が塞がる前にサーフィンをする場合には、雑菌が多い海水が傷口に入らぬように防水絆創膏などでガードすることがとても大切です。
なお、最近の治療の主流である湿潤療法(モイストケア)では、消毒薬は一切使いません。傷口が乾燥せずにジュクジュクした状態こそ、人間に備わった最適な治癒している状態であり、消毒薬は危険な細菌を殺す効果はあるにしても、血小板や治癒するために傷口に集まってくる細胞そのものも併せて殺してしまうので、結果的に回復を遅らせてしまうからだそうです。現在の医療現場では、明らかな感染が無い限りは、消毒薬は一切使わないというのが主流のようです。

また、下水処理場が近くにある日本のサーフポイントでは、大雨の後には下水処理場(合流式)から汚水が垂れ流されるため(市民を意識して夜間に流すことが多い)、傷口、鼻、口などから、大腸菌、溶連菌、破傷風菌などの感染リスクが高まります。アメリカでは、水質が悪いときには公務員ライフガードが赤旗を立ててビーチをクローズにしますが、日本はあくまでも自己責任です。明らかに水質が悪化しているときには海に入ることを諦めた方が良いし、風邪などで抵抗力が落ちている場合には感染のリスクが高く危険です。また、もしも身体に傷口がある場合には、患部に海水が入らぬよう大きめの防水湿潤絆創膏を貼ってガードする必要があります。
熱帯地方では、人食いバクテリアを含む危険な細菌が多いので、ごく小さな傷口でも侮らず、すぐにミネラルウォーターなどで洗い流してから(※)湿潤絆創膏を貼るか、なければサランラップなどを巻いて保護することでケガの回復が早まるばかりか、ハエなどによる細菌の感染を防ぐことができます。
(※発展途上国の水道水や屋根の上の貯水タンクからの水は、雑菌が含まれていることが少なくないため)

航空運賃の早割やLCCの運航などにより、昨今熱帯の国へのサーフトリップがしやすくなりましたが、それなりに感染症のリスクがありますので、事前にケガや細菌による感染症対策を十分にされてください。
グループで行く場合には、皆で分担して、湿潤絆創膏、抗生物質の内服薬、抗生物質入りのクリーム、その他の治療薬を準備しておくことをお薦めします。
なお、万が一傷口から感染してしまい、腫れによる痛みや発熱症状が現れたら、速やかに旅を中断して帰国するか、近くの都市にある病院で治療を受けましょう。
海外旅行保険に入っていれば、早めの帰国による航空運賃(正規運賃はかなり高い)、現地・帰国後の病院の治療費、移動費用などすべてが保険でカバーできますので(3000円くらいは免責がある保険がほとんど)、必ず入っておくことを強くお薦めします。
最後にもう一度申し上げます。小さな傷口でも、腫れて痛みが増して熱が出てきたら、速やかに帰国するなどして病院で治療を受けてください。(了)

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