☆加藤のウラナミ『We are One Ocean.』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安全安心な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

七里ガ浜の夕景

時間が止まるくらい綺麗な七里ガ浜のマジックアワー

皆さま、コロナ禍が続いていますが、元気にサーフィンされていらっしゃいますでしょうか?
早速ですが、6月に開催されたWSL「Jeep Surf Ranch Pro presented by Adobe」をライブで見て感動された方は少なくないと思います。私も男女の多くのヒートをライブで見ましたが、スプレーが垂直に7~8mも飛ぶほどのキレキレのトップアクションが10回以上も入り、その前後には10秒以上の見事なバレルメイクや2~3発の迫力満点なエアーリバースが加わるなど、興奮しながら食い入るように大会観戦を楽しみました。
ケリー・スレーターが監修した“Surf Ranch”でのCT選手のパフォーマンスは圧巻で、世界中の視聴者が興奮したはずなので、東京五輪以後※の波(海)のない国でのオリンピック開催であっても、“Surf Ranch”などのWave Poolがあれば、均一かつ高品質な波のコンディションで開催できることを十分にアピールした大会だったと思います。

※2024年パリ五輪でのサーフィンはタヒチのチョープーで開催決定、2028年ロスアンジェルス(米国)五輪ではサーフィンが五輪種目に認められるかどうかが、まだ確定していない

また、“Surf Ranch”は、海がない、波が小さい、寒帯地域など自然環境的に厳しい国でも、サーフィンが満喫できる、上達できる可能性を示唆したと思います。

まだ、ご覧になっていない方は、ぜひ下記のWSL公式サイトからアーカイブムービーをお楽しみください。

https://www.worldsurfleague.com/

“Surf Ranch”は、時間的に1本毎の波を作る間隔が長いのと、初期投資が相当掛かるので商業利用は難しいと言われていますが、出来れば日本にも設置されればと願うばかりです。

 

同大会サイトを見ていたら、「We Are One Ocean」というキャンペーンが紹介されていました。

「We Are One Ocean」とは、WSLが支援しているキャンペーンで、メインスポンサーは日本の資生堂で、そのアンバサダーに就任したのは東京五輪サーフィン種目の日本代表のカノア五十嵐選手です。

キャンペーンの意図するところは次の通りです。

今年10月中国昆明市で生物の多様性に関する国連条約会議が開催される予定で、今後9年間における世界の海の保護と保全の目標について検討されるそうです。

キャンペーンの請願を通じて、WSLは2030年までに公海を含む世界の海の少なくとも30パーセントを保護・保全する国際的目標の採択を支持するよう各国の指導者に求めるそうです。以下詳しい内容は、次のWSL公式サイトをご覧ください。

https://www.worldsurfleague.com/pure


話は変わりますが、私は鎌倉七里ガ浜をベースに、サーフィンはかれこれ40年、釣りは5年と短いものの海の大自然の恵みを謳歌してきました。

しかし、今年の七里の海にはこれまで経験のない大きな変化を感じざるを得ず、さらなる悪化をとても危惧しています。

昨年の暮れから、例年に比べて水温が高い状態が続き、春からは逆に冷たい状態が続きました。(6月に入って例年並みに)

初冬からの水温の高さだけの影響とは思えませんが、海底に生息する海藻が異常なほどに少ない状態が続き、波待ちしていてもアラメやワカメなどの海藻はごく一部にしか見られず、ほぼ岩がむき出しの海底ばかりが目立っています。

ビーチからの投げ釣りでも、例年イシモチやシロギスが釣れるのですが、今年は私のみならず、私の投げ釣りの師匠でもある釣り名人のAさんでさえ、たまにしか釣れない異常な状態となっています。
磯焼け現象は今に始まったことではありませんが、海藻が無くなると海藻を食べて育つサザエやアワビなどの貝類が育たなくなったり、魚がわずかな海藻の中に卵を植え付けても他の魚に容易(たやす)く見つけられて食べられてしまったり、たとえ産まれた小魚も隠れる海藻が無くなったことで大きな魚に食べられてしまったりと、海の中の生態系は悪化する一方になってしまいます。

 

そんな海の中の自然環境の悪化は、鎌倉七里ガ浜の海だけではなく、世界中で進んでいます。
自然の恵みを享受している私たちサーファーは、「We Are One Ocean」のキャンペーンを、決して他人事とは思わず、真摯に協力・応援していきたいものです。

愛する七里ガ浜に立つ筆者

愛する七里ガ浜に立つ筆者

 

いよいよ7月24日~8月1日まで、千葉県一宮町釣ヶ先海岸(志田下)にてオリンピック史上初のサーフィン種目が開催されます。

ほとんどの皆さまがTVなどでの観戦になるとは思いますが、“神風”が吹いて大波での開催となって、我々が愛する“サーフィン”が世界中の視聴者に大興奮を巻き起こし、無事成功裏に終わることを祈るばかりです。(了)

 

 

最近の記事

関連する記事