唐澤予報士のウラナミ『初雪と初冠雪』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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あの猛暑だった時期が懐かしく感じられるくらい、急に秋が深まりましたね。この秋の深まりを感じさせることの一つとして、2020年9月21日(月・敬老の日)に山梨県富士吉田市から富士山の「初雪化粧」が宣言されました。しかし、この9月21日の時点では、富士山の「初冠雪」はまだ発表されていません。

これはどういうことなのか?

実は、富士山の「初冠雪」を観測・発表しているのは、山梨県にある甲府地方気象台です。「初冠雪」には観測・発表の定義があり、「8月1日以降、山麓の気象官署から山頂付近が初めて積雪などで白く見えること」となっています。

実際に富士山頂付近では20日に雪が降って積もり白くなっていたようですが、甲府地方気象台からは、雲や観測した位置などによって冠雪が確認できなかったために、「初冠雪」の発表がなかったのです。

さて、ここまで読んで気がついた方もいるかもしれませんが、富士山の「初冠雪」を宣言するのは「甲府地方気象台」となっていることです。ということは、富士山頂南側で雪が降って静岡側から冠雪が確認できても、山梨側から見えなければ「初冠雪」にならないのです。

よく富士山は「山梨」と「静岡」のどちらのモノなのかという議論がありますが、「初冠雪」に限れば「山梨」のモノということになります。他都道府県人にしてみればどうでもよいことなのかもしれませんが、「山梨」と「静岡」の人にとってみれば、重要なことでしょう。

ちなみに、私は今年の「初雪化粧」と昨年の「初冠雪」を見事に予想的中できました。気象庁から提供・発表されている5,500m付近・1,500m付近の温度と降水の有無の予想を用いれば、マズマズ当てられます。ちなみに、トップの写真は去年の2019年10月23日における富士山の「初冠雪」の写真となります。

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