唐澤予報士のウラナミ『次にマリクシに出会えるのは6年後』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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写真は6月11日(月)の午後6時ころの湘南某ポイントの波です。(といっても、背景などを見れば大体どこのポイントか察しはつくとは思いますが……。

この日の湘南は台風5号・マリクシの接近により徐々にサイズアップ。この写真の某ポイントでは、昼ころまでは胸~肩のインサイドブレイクでしたが、日没前にはアウトからオーバーヘッドで割れるようになりました。自分は、6‘0のレトロシングルフィンで何本かのロングライドをメイクできました。台風5号・マリクシは最盛期でも中心気圧は970hPaと勢力があまり強くなかったこともあり、湘南で本格的にサイズアップしたのはかなり接近した時点からとなりました。
 
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さて、ここで台風5号・マリクシと書いており、読まれている方も違和感がなかったかもしれませんが、実はこのように台風に名前をつけるようになったのは2000年からなのです。1999年以前は、アメリカが英語の人名(稲村ジェーンの元ネタになったジェーン台風など)を付けていましたが、2000年以降は日本を含む14ヶ国等が加盟する北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会が提案した固有の名前が付けられるようになりました。

今年の台風5号の名前であるマリクシは、フィリピン語で「速い」という意味です。移動速度に関係なく「速い台風」ということになります。

上記のように台風委員会に日本も入っているために、日本語の台風名もあり、列記していくと次のようになります。「テンビン」「ヤギ」「ウサギ」「カジキ」「カンムリ」「クジラ」「コグマ」「コンパス」「トカゲ」「ハト」。動物の名前が多くなっていますが、「テンビン」「コンパス」といった道具の名前もあります。何の共通・関連性があるかというと、実は上記はすべて星座の名前となります。国民性なのか、こんな感じで日本では共通性のある名前を提案しています。一方、14ヶ国のうち、まったく共通・関連性のない名前を提案している国もあります。例えば、ミクロネシアは、「イーウィニャ(嵐の神)」「ソーリック(伝統的な部族長の称号)」「ムーン(6月)」「ミートク(女性の名前)」「ナンマドル(遺跡の名前)」など、バラバラの由来になっています。他の国が提案した名前のうち、面白いものでは、中国の「ウーコン(孫悟空)」、マカオの「バビンカ(プリン)」、フィリピンの「ハグピート(むち打つこと)」など、何を根拠にこの名前を選んだのかと思われるものもあります。

さて、この台風の名前ですが、全部で140個となっています。台風の発生数の平均は25.6個となっているので、5~6年で台風の名前は一巡することになります。ということは、5か6年後には、また「マリクシ」で良い思いをできることになるのかな……。
 
 

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