上條将美のウラナミ『3つの坂』

上條将美

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上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

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皆さん、こんにちは上條将美です。
日中はだいぶ暖かくなり、桜も開花し、水温も上がっていよいよ本格的なサーフィンシーズン到来といった感じですが、皆さんはどうお過ごしですか。

さて、本社のある湘南エリアでは、雪の日や風が非常に強く危険でない限り、渋滞による情報更新の遅れを少しでもなくすために、波情報スタッフは125ccのバイクで日々波チェックに回っています。
なので、各信号の変わるタイミングを自然と覚え、危険な箇所などもスタッフ間で共有されています。実際、バイクの運転では寒い雨の日もツラいですが、風の強い日が運転に一番気を使い疲労度も高いです。

参考がてら言いますと、鎌倉~大磯間で要注意の場所は、まず、稲村ケ崎付近、湘南大橋、そして、サザンビーチ付近です。稲村ケ崎、湘南大橋は風の通りが良いので、風が強く吹き抜けやすいです。サザンビーチ付近では、風の通りが良いうえに、湘南にしては高めのマンションがあるため、例えばオンショアが強く吹くと、マンションにあたって逆にオフショアの強い風となって返ってきます。なので、ハンドルを左にとられたと思った瞬間に、次には右にとられるといった感じで気が抜けません。

また、バイクに乗っている時間が長いので、まさかという予想外のことにも遭遇します。
バイクには安全のため透明なシールドを付けているのですが、そのシールドとヘルメットのシールドの間を通ってカナブンが当たってきたときがありました。
普通にしている分にはカナブンが当たったところでたいしたことはないですが、ある程度のスピードがついて当たってくるカナブンはなかなかの破壊力で、衝撃で一瞬クラッときました。

そしてつい先日は、なんと鳩がシールドにぶつかってくるということがありました。突然のことで、しかもカーブを曲がっている途中だったので、かわすことができませんでした。すぐに後ろを振り返ると鳩はもういなかったので、大丈夫だとは思いますが、自分は鳥が嫌いではないというか、小さいころには家で文鳥を飼っていたこともあり、むしろ好きな方なので、鳩のその後が大丈夫であることを祈るばかりです。

以前、会社でお世話になっていた社会保険労務士の先生が言っていたことで、世の中には3つの坂があると。「1つめは上り坂、2つめは下り坂、そして3つめは“まさか”である」と。“まさか”いわゆる想定外に対処するのはかなり難しいですが、人生は良くも悪くも“まさか”の連続ですよね。特に、自然を相手にするサーフィンでは多くの“まさか”に遭遇します。そういう意味では、サーファーは常に想定外の現象に対応する訓練を積んでいる、とも言えるのかもしれませんね。

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