きよひろのウラナミ「読む湘南⑤」ブルーフラッグ

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(FEE Japan提供)

梅雨が明ければ、いよいよ夏本番!輝く太陽が、青い海が、白い砂浜が、セクシーな美女が、あなたを待っている…。そうだ、今年こそは、新しい水着を買って「ブルーフラッグ」がはためくビーチに行こう!

えっ?「ブルーフラッグ」って…なに?

というわけで今回のテーマは、ずばり「ブルーフラッグ」です。

「ブルーフラッグ」とは、簡単に言うと「ビーチやマリーナに与えられる国際環境認証」のこと。

FEE(国際環境教育基金)というNGOが実施していて、水質や安全管理、利用者への環境教育、ごみ箱・トイレの設置、バリアフリー化など、33項目の基準をクリアすると、その証明としてビーチにブルーフラッグ(青い旗)を掲げることができるんです。

1985年にフランスで誕生。その後、ヨーロッパから世界中に広がって、現在、世界50カ国、約4000箇所で取得されています。FEEはUNEP(国連環境計画)、UNWTO(国連世界観光機関)とも連携し、世界各国においてブルーフラッグプログラムを推進しています。

(FEE Japan提供)

(FEE Japan提供)

実際に「ブルーフラッグ」を認証取得したビーチは、「国際基準のきれいで安全安心なマリンリゾート」というブランドイメージのアップで、世界中から観光客が来るようになって地域が元気になった!なんていう事例も世界ではたくさんあるんです。

でも、日本では認証されたビーチは一つもありませんでした!

そこで、私が所属するNPO法人「湘南ビジョン研究所」では、「日本の海にブルーフラッグを掲げよう!」という目標を掲げ5年前から活動を始めました。

初めのうちは「汚い湘南のビーチでブルーフラッグが取れる訳がない!」「小笠原とか沖縄でやった方がいいんじゃない?」「そもそもブルーフラッグなんて日本では誰も知らない制度だよ」など、色々言われました…泣

でも、まずはできることからやろう!と、地元湘南の海岸でビーチクリーンをしたり、ブルーフラッグの勉強会や環境イベントを開催したり、独自に水質調査をしたり。

その後、FEEJapanが、環境省の「快水浴場百選」に認定されているビーチを持つ自治体に対してブルーフラッグ認証取得の働きかけを行ったりと、少しずつ活動が前に進んでいきました。

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そして、ついに数年越しの取組みが実り、今年4月13日に、鎌倉市の「由比ガ浜海水浴場」と福井県高浜町の「若狭和田海水浴場」がアジアで初めて「ブルーフラッグ」認証を取得しました!コペンハーゲンで開催された国際NGOのFEE国際審査委員会で正式に承認されたのです!

日本初の快挙を成し遂げた鎌倉市の由比ガ浜海水浴場。夏の海開きに向け、盛り上がりは最高潮に達していました。しかし、その数日後、とんでもない事故が起こってしまったのです!

「下水放流事故による水質汚染」

鎌倉の稲村ガ崎の崖の一部が崩落し、埋まっていた下水の圧送管が破損。1万7千世帯の下水を処理場に送ることができなくなり、一部を海に放流せざるを得なくなってしまいました。周辺の海では瞬く間に大腸菌の数値が急増。

果たして、由比ガ浜海水浴場では今夏に「ブルーフラッグ」を掲げることができるのか…?!

次号のウラナミでは、前代未聞の「下水放流事故による水質汚染」から由比ガ浜海水浴場を救うために立ち上がった鎌倉市と組合の取組みについてレポートしたいと思います。お楽しみに!

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