上條将美のウラナミ『リアル・スタイルマスター』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

無題

こんにちは、上條将美です。
本格的にサーフィンシーズンに入り、夏も感じられるようになったきょうこのごろ、皆さんはどうお過ごしですか。
さて、2020年のオリンピックでサーフィンはまだ確定していないものの、巷はサーフィン競技の招致で盛り上がってきていますね。

そして、どこの場所が良い、ウェイブプールが良いなど、色々な議論がされるなか、ついに、サーフィン用のウェイブプールもここまでのものが可能になったのかと、サーフィンの神様・ケリー・スレーターが開発に関わったウェイブプールの映像は見るものに衝撃を与えましたね。

そのウェイブプールではケリー・スレーターはもちろん、カノア・五十嵐、ジョシュ・カー、カリッサ・ムーアなど達人たちがテストライドをしましたが、その中で特に凄かったのが、ステファニー・ギルモアです。
彼女の出身地であるゴールドコーストには、キラ、スナッパーロックス、バーレーヘッズ、レノックスヘッドなど世界でも最高レベルのポイントブレイクが多くあり、彼女のサーフィン、特にチューブライディングは男子にも引けを取らない素晴らしいテクニックを備えています。

そして、ほぼ同じ波が作れるこのウェイブプールにおいてそれが顕著に表れています。上記のテストライドしたメンバーの中で、チューブだけで見れば彼女が一番だと思います。
ブレイクに合わせたスピードとレールワーク、“エブリタイム・スタイルマスター”と言われる常に崩れることのないスタイル、チューブの最後の方にはノーズライディングばりにボードの前の方にスタンスしています。

チューブライディングは、いかに間違えることなくブレイクを読み、それに合わせて体勢をつくり、レールワークで波の上で正しいポジショニングをしますが、彼女は前の手も使ってレールワークをし、スタンスも変えています。
サーフィンの最もシンプルでありつつ、最も難しいテクニックです。
最近、スタイルといってボードの上でただ単に突っ立っている人を見ますが、このライディングでは本当の“スタイル”とはどういうものか、というのが顕著に表れています。
ぜひ、参考にしてください。

https://vimeo.com/165613086

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