きよひろのウラナミ「読む湘南②」海って一体“誰のもの”?

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前回の「読む湘南」では、「海岸の侵食問題」を取り上げましたが、今回のテーマはずばり「漁業者VSサーファー問題」です。

いよいよ4月になりマリンスポーツのシーズンがやってきましたね!私の地元、湘南の片瀬西浜海岸の海水浴客数は日本一。なんと7月~8月のたった2ヶ月間で160万人以上が訪れます。もちろん、この季節の海水浴場開設時間外の朝イチと夕方は、海が埋まるくらいのサーファーが集まります。

そんなときは漁業者とサーファーのトラブルが多く起こります。地引網の中に入って波乗りするサーファーの胸ぐらを漁師がつかんで、「オメエ!」なんて言う場面にも出くわします。サーファーだって網で大ケガをすることも。

漁業者側からすれば「サーフィンは遊びだろ。こっちは飯を食う糧でやってんだ。漁に響くからやめてくれ!」ということになるし、サーファー側からすれば、「海はみんなのものだろ。波がいいところはサーファーに譲れ!」ということになります。

両者の言い分はそれぞれ一理ありますね・・・。海って一体“誰のもの”なのでしょうか?

その答えは「漁業法」の中にあります!江戸時代の頃から「一漁村一専用漁業」と言われ、「海は漁師のもの」という考え方がありました。さらに戦後は食糧(魚)の配給ということで漁師さんの立場が非常に尊重されていた時代がありました。しかし、昭和24年に現代漁業法に改正されて、「海は国民全員のもの」となったのです。

それじゃ、「漁師とサーファーは対等なのか?」・・・そうとも言えないのです。漁業法の中に「漁業権」が規定されています。「漁業権」とは「一定の水面において排他的に一定の漁業を営む権利」のことで、この権利が漁師にはあるのです。しかし、逆に言えば、「漁業を営んでいない時は他の人を排除することはできない」ということでもあります。

だから私たちサーファーが「漁業権があるんだから出て行け!」と漁師に言われたとしても、漁業を営んでいないときであれば「自由に使えるよ!」と反論できるのです(笑)

「漁業者VSサーファー問題」、なかなか解決が難しい問題ですね。

「ハマグリを絶対に採らないこと」、そして、「海から上がった後は近くのお店でシラスや魚を買いましょう!」。それが漁師とサーファーの共存の第一歩になりそうです。

漁業者とサーファー、お互い尊重し合い、海を上手に利用していきたいですね♬ウラナミ写真2

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