きよひろのウラナミ「ドイツ環境学び旅⑤」ちりも積もれば山となる!?

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「ドイツ環境学び旅」では、セブンイレブン記念財団の「環境NPOリーダー海外研修」で環境先進国ドイツを訪問させていただいた10日間の研修の様子を連載でお届けしています。

前回のウラナミで、NPOもお金を稼がなくてはならないことをお話ししました。そこで、今回は、「共感と感動を呼ぶファンドレイジング(資金調達)」をテーマに、ドイツのNPOの資金調達の具体的なアイデアをご紹介したいと思います!

私が講義を受けたファンドレイジングの専門家シュナイダー氏からの印象的な一言。

「ファンドレイジングは、“フレンドレイジング”だ!」

これは、「ファンドレイジングは、寄付者のことを自分の“友達”のように思って心から対応しなさい」という意味。

寄付は、「NPOが寄付者に頭を下げてお願いするもの」ではなく、「寄付者が人助けできたと喜べるもの」。だから、「どうやったら友達に喜んでもらえるか、感動してもらえるか」という視点で考えることがファンドレイジングの成功の秘訣なんだそうです。

(今回訪れたファンドレイジング専門学校のリットーショッフェル先生は、ファンドレイジングのカリスマ。)

(今回訪れたファンドレイジング専門学校のリットーショッフェル先生は、ファンドレイジングのカリスマ。)

先生が自分のNPOで資金獲得に成功した実話をたくさん教えてくれました。その中でもちょっと変わったおもしろいエピソードを3つご紹介したいと思います。

【エピソード①】お誕生日プレゼントが寄付金に!?

ある日、リットーショッフェル先生は友人たちに言いました。

「みなさん、私は来月60歳の誕生日を迎えます!みなさんは、私に素敵なプレゼントを用意してくれると思います。

ですが、プレゼントはいりません。代わりに、この団体にプレゼントと同じ金額を寄付してもらえると私はプレゼントをもらうよりももっと嬉しいです。」

すると、誕生日に5,000ユーロ(日本円でなんと60万円!)もの寄付金が集まったのです!先生は大喜びだったそうです。

【エピソード②】遺産が寄付金に!?

ある日、 一人の老人がリットーショッフェル先生に言いました。

「私は遺跡の発掘調査にとっても興味があるんだ。ぜひ、先生の団体の発掘調査を手伝わせてもらえないかい?」

実は、リットーショッフェル先生の前職は考古学の専門家で、遺跡の発掘調査をしていました。先生は老人の申し出を快く受け、ボランティアとして協力してもらいながらプライベートでも親しくおつきあいしていました。

しかし、数年後、老人は亡くなってしまいました。

すると、その老人の遺書に「私の遺産を遺跡の発掘調査に役立ててほしい。あなたの団体に2,000万円を寄付します。」と書いてあったのです!

先生は深くその老人に感謝し、ますます発掘調査に力を入れたそうです。

【エピソード③】おつりが寄付金に!?

ある日、リットーショッフェル先生は言いました。

「私の遺跡発掘見学ツアーは楽しかったですか?記念のお土産に遺跡の破片で作ったペンダントはいかがでしょうか?売上金は発掘調査の費用に当てさせていただきます。」

実はリットーショッフェル先生は遺跡発掘の資金集めのために、観光客向けに有料の遺跡発掘見学ツアーを行っており、先生はガイド役をつとめていたのです。

するとツアー参加者からこんな声が上がりました。

「ガイドはとても楽しかった。素敵なペンダントなので是非買うわ。おつりも寄付させて。」

なんと、おつりも寄付していただけることになり、先生は急いでおつり用の募金箱を用意しました。それから週に2回の遺跡見学ツアーを開催することになり、ガイドツアー料金に加え、予想以上に多額の寄付が集まったそうです。

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ちなみに、日本のコンビニの「セブン-イレブン」のレジの前にもおつりを入れる募金箱が置いてあります。私が調べてみたところ1店舗あたり1日63円しか募金がないそうです。少ないですね・・・。

でも、「セブン-イレブン」は国内だけでも18,572店舗もあるんです!

18,572店舗で1日63円の寄付が集まると、365日で合計4億3,092万6,053円になるそうです!驚きですね!

「ちりも積もれば山となる」

実はこのドイツ海外研修は全国の「セブン-イレブン」の店頭に寄せられた温かい寄付で実施されており、一人ひとりの小さな善意が、私たちを海外研修へと送ってくれました。

さて、リットーショッフェル先生のエピソードはいかがだったでしょうか?

私も4月に誕生日を迎えるので、先生を見習って友人にプレゼントの代わりに寄付をお願いしてみようかな?

あっ!そもそもプレゼントくれる人いないか(笑)

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