☆加藤のウラナミ『たかが異動、されど異動』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安全安心な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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(横浜市港湾局大さん橋ふ頭時代、背後は帆船日本丸)

新年度の4月に入り、日本中の企業、役所で人事異動(以下、異動とする)の辞令が交付され、その結果に該当者は一喜一憂したのではないでしょうか。
そのような中、皆さまは元気に楽しくサーフィンをされていますか?

早速ですが、タイトルの異動について、ある調査によれば、(昇給昇格を伴わない)異動の辞令をもらって喜ばない人は7割以上にも達するとの報告がありました。そんなに異動の辞令で喜ぶ人が少ないのに、なぜ企業や組織は人を異動させるのでしょうか?

その異動させる目的は、組織・人を活性化させるからでしょう。

40年前の遠い昔の話になりますが、当時私は高卒で横浜市役所に入所し、一か月間の研修を受けていました。入所式での市長の話は全く覚えていませんが(笑)、一か月間の研修を終えた時に当時研修所長のU氏(のちの経済局長)がお話しされた主旨は今でも覚えています。
『皆さんは、あすからは配属された職場で初々しく仕事に就いて、数年を経過すると仕事を覚えて一人前になって安堵してしまい、のんびりと働く先輩方の様子にいつしか同化してすっかり保守的な役人の人生を歩もうとしてしまうのが常です。市役所には、多くの区役所のほかに、総務局、企画調整局、財政局、港湾局、経済局、都市整備局、下水道局、水道局、建築局、交通局(地下鉄・バス)、市民局、緑政局、道路局、民生局、環境事業局、公害対策局、消防局、市大事務局、議会事務局、人事・監査・選挙管理事務局、交通局、病院、教育委員会など…到底企業では味わうことのできない本当に多種多様な業務と職場があります。(名称は当時)

市長部局だけで優に1万人を超える大組織の中で、行政マンとして成長するためには若いうちに色々な職場を数多く経験することがとても大切です。私自身、若いうちに色々な職場を異動した経験が、自分の成長を促し、行政マンとしての奥行きをもたらし、貴重なネットワークを広げて今に至っています。人間はとても弱いもので、組織に入って慣れてしまうと、どうしてもマンネリ化してしまいます。若く有望な皆さんは、そうしたマンネリ化することなく、自己を成長させるために若いうちは3~4年ごとに異動して自己研鑽に励んで頂ければと思います…』

研修を通してU氏の人柄に尊敬の念を抱いていた私は、そのアドバイスを守り、金沢区役所で税務を一通り経験した5年後に、港湾局に異動して埋め立て事業の一環だった海の公園の管理を担当し、その6年後にはちょうど「横浜博覧会」が開催中のクイーンエリザベス2世号がホテルシップされていた大さん橋ふ頭に異動しました。都合18年半にわたる市役所勤務でしたが、自分にとっては掛け替えのない貴重な経験であり、その間には何人かのメンターにも出逢って人としても育てて頂きました。

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港湾局海の公園担当時代、若かったなぁ~!!!(前列右)

もしも異動せずに区役所業務に安住していたら、きっと今はないはずです。しかも生意気な小役人になっていたと断言でき、恥を承知で告白すれば、区役所時代に隣で煙草を吸う有名大学出身の優秀な先輩に向かって、こう食ってかかったことがあります。『先輩~!!! 先輩は煙草を1本吸うのに腕を組むだけで3分間は仕事をしていませんよ。1日10本吸うとしたら、毎日30分は仕事をさぼっていることになりますから…』新入の若造が、本当に生意気かつ大変失礼なことを言ったものだと、今では顔から火が出るくらい恥ずかしい思い出ですが、本当に当時は無能であるばかりか、生意気でどうしようもない職員でした。(猛省)

市民のことを思うあまりの発言で他意はなく、多少明るい性格と、おばさま方の女性職員を大切にして味方につける作戦が功を奏して(これにより役所内に強いネットワークを早く構築できました)、区役所内では良く知られる存在になりました。また、区役所の軟式野球部ではすぐに中心選手となり、さらに同バレーボール部では高校時代の実績から新人で監督を任され、多くの先輩方に厳しくも温かく育てて頂いたお陰で、その後の役人生活が続いたのだと心から感謝しています。
楽しく貴重な区役所を去るのはつらかったのですが、その後に二度の異動を経験し、行く先々で鼻っぱしを折られ続けて少しずつ謙虚になり、また仕事の幅とネットワークを広げて一人前の行政マンに近づいていったのだと思います。
もしも、いま異動の辞令で落ち込んでいる人や不満で転職を考えている人がいるとしたら、冷静に考え直して頂ければと思います。しかも我らはサーファーじゃないですか!!!波に乗ることもあれば、乗り遅れることも、ワイプアウトすることもサーフィンのうちなはずです。サーフィンは、簡単にマスターできない奥行きの深さがあるからこそ魅力的であり、失敗するからこそ、その後の改善・成長にも結び付くものです。私の改善・成長は限定的でしたが…(涙)

“人生に遠回りなし”、“神様は超えられない試練は与えない”

辛い、苦しい、大変な経験だからこそ、人は成長できます。
良い波をつかむのにも、数々の試練を乗り越えた先にあると思います。
これから待ち受ける試練を乗り越える努力は、あとになってきっと大きな財産となって返ってくることでしょう。
ぜひ、異動をポジティブに考えて、Good WaveのPeakから完璧なTake Offする寸前の、ボトム~ショルダーを見る景色を思い描いてみてください。
きっと今の試練も、楽しく感じてきてしまいますよ~。
ほら、ほらっ、そうでしょう、Yeah~ (了)

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