唐澤予報士のウラナミ『今年の冬の波の考察』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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冒頭の写真は、湘南・辻堂ポイントですが、どの季節の波だと思いますか? サイズからすると台風の波だと思われる方が多いのではないでしょうか? ただし、右下に写っている人はフルスーツ姿です。実は、この写真は冬の湘南なのです。

この日は、強い冬型の気圧配置となっていて、遠州灘~相模湾内にかけては強い西風が吹きつつ、沿岸付近では北寄りの風となり、整った状態で西~南西の波が頭半前後のサイズで反応していたのでした。この日は、自分も入っていたのですが、ちょっとした台風よりも良い波で、切れていつつチュービーな波もあり、スリリングなテイクオフの後は、ショルダーをかっ飛んだり、縦へのアクションが入れられる波でした。(ただし、波数は多くてセット間隔は短く、フルスーツということもあり、短時間でヘトヘトとなり、長い時間は入っていられませんでした。)

冬となると、一般的に良い波となるのは、千葉以北でのアリューシャン付近からの発達した低気圧からの北東うねりか、日本海の西高東低の冬型の気圧配置が強まって緩んだ時の風波がうねりとなって残った時、となりますが、湘南エリアであっても十分に良い波となることがあるのです。

そんなことで、今年の冬の波を考察してみたいと思います。

すでに多くの方がご存じかと思いますが、今冬は暖冬の予想となっています。以下は、気象庁が発表している12月~3月にかけての傾向です。

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左の図が気温の傾向となりますが、東・西日本で平年よりも気温が高い予想となっています。そして、右の図は降雪量の傾向ですが、東・西日本の日本海側では平年よりも少ない予想となっています。これは何を意味しているかというと、「西高東低の冬型の気圧配置」となる日が少ない、ということになります。従って、日本海側では、風波が大きく強まったのちに、風が弱まり、波がまとまる、ということも平年よりも少なくなるのではないかと思います。また、湘南・南伊豆・千葉南などで反応する、「寒気によって吹く西~南海上での西風による波」の機会も少なくなるかと思います。

一方で、真ん中の図ですが、降水量の傾向となります。東・西日本では降水量が多い予想となっています。これは、南岸低気圧が発生・通過する回数が多くなることを示唆しているのだと思います。

ということで、この冬は南岸低気圧によってサイズアップすることが多くなるのではないかと思います。

さて、この暖冬の原因ですが、エルニーニョ現象が間接的に影響しており、上空の偏西風が平年ほど南下せず、寒気が南下してきづらくなるためです。一方で、この偏西風によって低気圧が東進するので、ちょうど低気圧が日本の南岸を通過しやすくなります。

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最後に、自分が楽しみにしているのは雪。どうやら、本州は平年と比べると雪は少なそうですが、北海道では平年並に降りそうです。円高の影響や、インバウンドの外国人が増えているために、北海道のスノーリゾートでは軒並みリフト代・宿泊費などが高騰しているのですが、自分は知る人ぞ知る、マイナーなローカルポイントで楽しんできたいと思います!

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