唐澤予報士のウラナミ『PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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2021年9月30日湘南某ポイント

タイトルにある「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」は、元サッカーイタリア代表のロベルト・バッジョの名言の一つ。バッジョは80・90年代を代表するファンタジスタ(優れたテクニックと、誰も予想できないようなタイミングや方法でパスやシュートをするなど、アイデア溢れるプレーをする選手のこと)で、1993年度欧州年間最優秀選手、1993年度FIFA世界年間最優秀選手受賞しており、40歳代後半以上で少しでもサッカーに興味がある人なら必ず知っているでしょう。
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ロベルト・バッジョ

そんなバッジョですが、クラブとしてはセリエA(イタリアサッカートップリーグ)では優勝をしているものの、イタリア代表としてはサッカーワールドカップではイタリア・アメリカ・フランスの3大会に出場し、3位、準優勝、準々決勝進出と、いずれもベスト8に入ってはいるが優勝は経験していません。そして3大会の敗退はいずれもPK戦によるものです。このPK戦において最も有名なのが、アメリカ大会でのブラジルとの決勝戦。ワールドカップ決勝史上初のPK戦となり、ブラジルがリードを保ったまま最終キッカーであるバッジョの番となり、バッジョはゴール左上にはるか高く打ち上げてしまいPKを失敗し、イタリアは優勝を逃しました。次のフランス大会では準々決勝のフランスがPK戦となり、バッジョはPKを決めたものの、最終的にはPK戦で敗退しました。

この時に、バッジョがPKを外したチームメイトに対して発したのが「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」という名言です。(本人がPKを外したアメリカ大会のブラジル戦で言ったと思われている方も多いかもしれませんが、違うのですよ)

さて、なぜ、こんな話を長々と書いているかというと、自分の仕事もまさに「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」という言葉を発したい時があるからです。ほぼ毎日のように波の予想を書いて、予想の点数(★)をつけているのですが、良い点数(★4個とか)をつけるのには勇気がいります。「波が大きくなる・良くなる!」と予想して、皆様をワクワクとした気持ちにさせたいのに、予想を外すことは怖いのです。(もしかしたら、自分の仕事に限らず、多くの仕事で同じ思いをするかもしれませんね。) なかなか勇気をもって良い点数をつけることができず、ついつい無難な「★3」にしてしまうことが多くなってしまいます。

先日、台風15号による波がクライマックスを迎えそうな前日に、上條プロから「あすの湘南、★4でもいけますかね!?」と相談を受けたときに思い出したのが、上記の「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」です。外してしまうと非難されるかもしれないものの、「勇気をもって★4でも良いじゃないですか!」との結論に達しました。結果は、翌日の湘南はグッドウェーブ! オフショア・肩~オーバーヘッドサイズで、点数が最も高かった所は◇60点! 年に数度あるかの良い波でした。

正直な話、毎日予想を書く度に「外したら嫌だなー」という気持ちがあります。ただし、ここで言わせてもらいます、「予想を外すことができるのは、思い切った予想をすることができる勇気を持った者だけだ!」と。

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