~予報円が大きい=台風が大きいじゃないよ!~
このウラナミを書いている時点で、台風22号は伊豆諸島近海を東北東進しており、台風23号も発生しています。湘南は頭半~ダブルサイズとなっています。自分は、月曜日から入り始めたうねりにより、連日サーフィンを楽しめています。

10月9日(木)朝の、湘南・辻堂
台風シーズンは佳境になったかと思いますが、海水温が高いので、このあとも台風が発生する可能性があります。まだまだ台風の発生等に注目が必要となります。
ということで、今さらながらも、台風の基礎知識について述べていきます。
まず、多くの方が誤解しているかもしれませんが、「台風の予報円が大きい=台風が大きい」ということではありません。
台風の予報円とは、台風の中心が70%の確率で入る範囲を示したものです。台風の予報円が大きいということは、台風の進路予想の不確実性が高い、どこに進むのかが予想できていないということになります。しかも、先述しているように、台風の予報円に入るのは70%の確率なので、30%の確率で予報円の外側に進む可能性がある、ということになります。
また、台風が大型であっても進路予想が正確であれば予報円は小さくなり、台風が小さくても進路予想が正確にできない場合は予報円は大きくなります。
続いて、台風の名称。今年の台風22号は「ハーロン」、23号は「ナクリー」という名称が付いています。この名前に意味があるのかというと、「あるけど、ない」となります。気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけています。なお、一度発生した台風が衰えて「熱帯低気圧」になった後で再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けるようになっています。
一方で、台風の名前ですが、従来は米国が英語名(人名)を付けていました。北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織「台風委員会(日本含む14カ国等が加盟)」は、平成12年から、主記を目的として新しい方式を採用しました。この領域で発生する台風には、共通のアジア名として、同領域内で用いられている固有の名前(加盟国などが提案した名前)を付けることにしました。
●国際社会への情報に台風委員会が決めた名前をつけて、それを利用してもらうことによって、アジア各国・地域の文化の尊重と連帯の強化、相互理解を推進すること
●アジアの人々になじみのある呼び名をつけることによって人々の防災意識を高めること
平成12年の台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」のアジア名が付けられ、以後、発生順にあらかじめ用意された140個のアジア名を順番に用いて、その後再び「ダムレイ」に戻ります。台風の年間発生数の平年値は25.1個ですので、おおむね5から6年で台風のアジア名が一巡することになります。日本からは星座名に由来する名前10個を提案しています。140個のなかで面白いものとしては、マカオが提案したプリンを意味するバビンカ、ベトナムが提案したヒトデを意味するサオビエンなどがあります。ちなみに、ハーロンはベトナムの湾の名前、ナクリーはカンボジアの花の名前となります。
続く