唐澤予報士のウラナミ『青い奴が来た!』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

カツオノエボシ

先日、早朝(というか深夜)からの勤務だったために、午後4時に会社を退社。学童に預けている娘をお迎えに行って、そのまま砂浜へビーチグラスの探索に行きました。海に行ったのが満潮前後だったために、肝心のビーチグラスはあまりなく、収穫は少なめ。しかし、ビーチグラスは少なかった代わりに奴がいたのでした。

そう、「カツオノエボシ」です。いわゆるエボシクラゲです。(ちなみにこの名にあるエボシですが、浮き袋の見た目が烏帽子に似ていることに由来。カツオノエボシという名は三浦半島や伊豆半島から広まったとのことです) その日は南西風がやや強く吹いていたので、南の沖合から運ばれてきたのでしょう。自分はこれまでも何回か刺されており、出血したこともあれば、リンパ線が腫れあがった経験もしています。(わずかながらも腕には20年以上前に刺された線状の跡が今でも残っています) 一方、子供にしてみると綺麗なプラスチックや袋に見えるかもしれないので、今後のことを考えて娘には「危険なクラゲだから触ったらダメだよ!」と実地教育したのでした。

砂浜で遊んでいる分には、触らない・踏まないように気を付けていればいいのですが、カツオノエボシが発生しているとわかっていても波が良ければ海に入ってしまうのがサーファーの習性。サーフィンでパドルをしていると気を付けようがありません。ラッシュガード越しでも刺されることがあり、カツオノエボシが出現するのは夏が主ですからフルスーツを着るというわけにもいきません。なので、刺された際の適切な処置法を知っておくべきでしょう。

とにかく大事なのが、慌てない・素手で触らないこと。パニックで溺れてしまうこともあります。また直接素手で取ろうとすると再度刺されてしまうことがあるので、手袋をして取り除くか、海水で洗い流すようにしましょう。その次に大事なのが、間違った処置をしないこと。クラゲは種類によって毒が異なるので、俗説などの間違った処理をするとさらに悪化することがあります。してはいけないことは以下になります。

・酢をかける。(カツオノエボシとクラゲの種類によっては、酢の刺激でさらに毒が出ることがあるため)

・真水で洗う。(浸透圧の差で毒がさらに体内に流れ込む)

・砂でもむ。(刺胞を肌にすりこんでしまう)

では、正しい処置とは何かと言われると以下になります。

海水で流すか素手以外で取り除いたのちに、氷や冷水で患部を冷やし、皮膚科などの医療機関に行き、抗ヒスタミン剤・副腎皮質ホルモン配合の軟膏を処方してもらい塗ることになります。
※アンドンクラゲやアカエイなどのタンパク毒は熱に弱いため、50度くらいのお湯で患部を温めて毒を分解する方法がありますが、まだクラゲの治療法ははっきりと確立されていません。

海やサーフィンは楽しいですが、やはり危険なこともあります。ただし、リスクは決して無いとは言えないものの、少しでも小さくすることはできるので、正しい知識・対処法を身につけましょうね。

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