服部予報士のウラナミ『来月ピークを迎える現象は?』

服部予報士

服部予報士
服部予報士 サーフレジェンド所属気象予報士、防災士。 小学校の理科の授業で天気に興味を持ち、大学は海洋気象を専攻。 TV・ラジオでの気象解説や、古民家イタリアレストランの店長などの経験を持つ。 「天気と海、旬の食材と話題を通して季節の移ろいを感じられる」ことを ライフワークとして、メッセージを伝えてゆきたいと思います。

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今月のウラナミを「桜の開花予想を各社比較してみよう」と準備したものの、数週間前の予想ですら、それを上回る速さで開花してしまい、完全にネタがボツってしまいました。そこで目先のところで何か季節的なイベントは無いか?と泣く泣く探してみました。

やっと見つかったコチラのグラフ…
これは気象庁が観測している全国59箇所の「黄砂の観測日数の平年値(1981-2010)」を表しています。

なんと4月は9.0日と一年の中で最も多く観測しているようなのです。

■黄砂はナゼ飛んでくるのか?
 黄砂は、中国大陸の内陸部にあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などの黄土地帯で、強い風によって数千メートルの高さにまで巻き上げられた粒子が、偏西風に乗って日本に到達し降下する現象です。黄土地帯での黄砂が舞い上がる条件は、雪や氷が解けて乾燥し、樹
木が無いところにおいて、低気圧などによる強い風が吹くことなどと言われています。黄砂は日本だけでなく、衛星観測によると遠くは北太平洋を横断し北米大陸まで到達していることが分かっています。

黄砂の解説図(気象庁HPより)

■黄砂が来ると何が困るのか?
 日本において、黄砂はどのような影響があるのでしょうか?
 自動車や洗濯物に付着して汚れたり、空気が黄褐色にかすみ見通しが悪くなる”視界不良”による交通障害などが考えられます。また、人間の呼吸活動により喉が痛みや目の痛み等を含む呼吸器や眼科の疾患もあります。さらに、粒子が小さいため、工場へダストと
して侵入すれば製品の不良品を生むことにつながり、様々な影響が考えられます。

■飛ぶ日を知るにはどうしたら良いのか?
 このため気象庁では2004年から黄砂飛散予測を気象庁ホームページで配信しています。毎朝6時ごろに96時間先(4日分)まで3,9,15,21時の予測図が更新されますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

ということで、サクラも良いけど花粉もね、そして黄砂にも気に留めていただきまして、健康管理にはお気をつけ下さい。

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