1月18日、その日は午前2時台からの出勤の日でした。
南岸低気圧が通過するため、数日前の予報では関東でも「雪」。
しかし、前日の気象予報はというと沿岸部では「強い雨・強い北風」予報に変わり、小田原・箱根方面では「雪」かも?くらいややトーンダウンしたものになっていました。
ラジオから流れる情報などを聞きつつ、情報を収集しながら社内でもスタッフ間で最悪の場合の「雪」を想定した情報遅延を考慮したシフト調整をするか、または、雨だとしても風が強いのでバイクを避けて車で行く。それだとしても、視界不良を考慮してベテランが行くかなどが話合われました。
そして、出た答えは、未明から夜明け前の予想温度を考慮しても「みぞれ」だろう。「強い雨」がメーンで「雪」が降っても少し。スタットレスタイヤを履いている波伝説号「WAKE」なら何とかチェックはできるので、十分に注意の上で作業をするということになりました。
1月18日の未明……。
雨が強すぎて音で起きるのだろうなと想定していた僕は、目覚ましで起き、無音状態の状況に「さっきまでの雨はまだ弱いのか~ラッキー!」と、出勤前に余裕をぶっこき,
みかんを食べていました。
そして、防寒・防水の準備をしていざ玄関を開けた時でした。
「えっ!?真っ白!?吹雪!?」
玄関の暗闇からの電灯の明かりで白々と光る銀世界。
かつて、僕が生まれる何十年も前に近所に住んでいたノーベル文学者・川端康成氏が
「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった」と「雪国」の冒頭で述べた、読んでいるだけでそこに居合わせたかのようなあの状況。
ここで名作を例に出してしまい大変恐縮ですが、とても好きなのでご容赦を。
「玄関を開けるとそこは銀世界」出勤前に「雪国」をプチ体験。
越後湯沢にでも、某猫型ロボットが出す、どこでもドアで来てしまったのかと寝ぼけた僕は一瞬戸惑い、なぜか玄関を閉めたのです。
そして、「雪だ!雪だ!」と爆睡している奥様を起こしてしまう暴挙。
そんな、雪が降った後は波が上がるということで、低気圧に吹き込む北風が強くフラットが続いた後は、午後にサイズアップ!
雪解け水が冷たかったですが、良い波に乗らせてもらいました!
夜明け前のシフトが終わり、少し休憩してサイズアップ。夕飯時に上がり、そのまま乾杯コース。
これは、湘南地域で波情報を生業にする方のほとんどが思うゴールデンコースなのではないでしょうか。千葉エリアのようにいつも波があるところのスタッフにはこの喜びも半減なのでしょうか。
なお、翌日は冬型の気圧配置がばっちり決まり、西風ビュービューのクローズアウトとなりました。