
先日、私が所属する合気道の流派で、達人と称される方がいる京都へ行ってきました。
目的は、黒帯が集結する稽古と、指導者を目指す人たちが受ける研修会に参加することです。
日程が近づくにつれて、「一体、自分は何を目指しているんだ?」と自問自答していましたが、そんなことも忘れるほど過酷な、計7時間半の修行となりました。
私の師匠からは「結構つらいよ」と脅かされていたため、無事に生還できるのかと心配していましたが、刻々と稽古の時間が迫ってきました。
京都の道場には、一見すると街を歩いている普通のおじいちゃんのようでありながら、達人と呼ばれる方がいます。
そして、そのお弟子さんたちも、私からしたらめちゃくちゃヤバい人たちです。
そんな達人の教えを乞うために、全国から合気道フリークの人たちが集まってきます。
100キロ近い私の体をいとも簡単に動けなくし、一瞬で投げ飛ばしてしまいます。
完全に重心を奪われ、立ち上がりたくても立ち上がれないのです。
20年ほど前にテレビで見た、小柄なおじいちゃんが襲いかかってくる数人の巨漢たちを、チョンと打撃しただけで次々と打ち伏せていく映像が頭をよぎりました。
子供とともに始めた合気道。人間の体の構造や重心の移動を意識し、鍛錬を積み重ねることで体現される一瞬一瞬の技に魅了され、早くも5年が経ちました。
稽古1日目。
その内容は、学生時代の部活動を思い出すほどのハードさでした。
今、こんな稽古を学校でやったら、PTAからクレームが入るのではないかと思うほどの昭和・平成感です。笑
給水時間が待ち遠しく、低い体勢をキープしながら筋肉をプルプルさせる、あの感覚。
とても懐かしかったと同時に、40歳を過ぎたボディーには超絶ハードでした。
ただし、達成感は120%!
夜に飲んだビール、「今年一番うまい!」
そう思ったのは言うまでもありません。
実は、普段の1日の終わりに飲むビールって大したことないな、と思ってしまうほどでした。笑
しかも、ジョッキ1杯目にして酔いが回りました。気持ち良かったです。
翌日。
歩くのもままならないほどの筋肉痛に見舞われながら、何とか2日目の稽古も終了しました。
帰りの新幹線は夜に予約していたので、半日ほど京都観光を予定していました。
今や街中にあふれるシェアサイクルで京の街を散策する計画です。
ところが、ここでトラブル発生です。
なんと、アプリで自転車を探す最中、足がつってしまったのです。
右腿の前側、そして左腿の内側。
自転車にたどり着くことすら困難な状態となりました。
それでも休憩しながら何とか自転車を確保!
体の状態を考慮し、知恩院、南禅寺、銀閣寺を巡ることにしました。そして、お土産でも買って、新幹線に乗る前にビールでも飲もうかな〜、という完璧なプランです。
痛めた腿をほぐそうと、自転車のギアを一番軽くして、初動負荷トレーニング®で培った「筋肉を緩く動かしながらほぐす」という考えのもと、ゆっくりとペダルを漕ぎ始めました。
腿に違和感を覚えながらも、京の街を颯爽と走っていると……。
「本能寺」
という看板が目に飛び込んできました。
おおっ!こんなところに本能寺が!
予定にはありませんでしたが、せっかくなので立ち寄ることにしました。
自転車を停めて境内に入った、その瞬間です。
両腿の前側に電気が走るような激痛が!
つった!!!ちょーいてー!
慌てて伸ばそうとした瞬間、今度は腿の裏側までつってしまいました。万事休す。
両足が動かせなくなり、境内の砂利の上で足を伸ばし、冷や汗をかきながら座り込んでしまいました。
よりによって、こんな場所で……。
さすがに恥ずかしかったものの、心配して声をかけてくれた外国人観光客と警備員の方に助けられ、何とか事なきを得たのでした。
合気道の達人には一瞬で重心を奪われ、本能寺では筋肉の自由までも奪われ、まさか、最後の荒業がこんな所で…。
その後は、とりあえず、心身ともに落ち着かせ、水をがぶ飲み、塩飴を貪り、徐々に復活。
無事に散策を完了したのでした。




