前回のウラナミの続きになりますが、ハワイ滞在中に日本人であるにも関わらず、日本についてあまり知らない事に気付いた私は、ハワイから帰国後、太平洋側を車であてもなく旅してみる事にしました。
サーファー的には、「いいんじゃない!」
と言ってもらえそうですが、家族からは猛反対です。
当時私は29歳くらいでした。
7つ下の弟は一児の父となり、マイホームまで構えて人並みの生活をしていましたが、私といえば三十路手前でありながら、独身、住所不定無職だったのです。
「早く仕事をしなさい!」
「いつになったら結婚するの⁉︎」
などなど……
当然の反応かもしれません。
が、しかしそれを素直に聞き入れるような私であれば、おそらく三十路手前で住所不定無職にはならなかったでしょう。
家族の反対は軽い笑顔でかわしましたが、いざ計画を練ってみると、私なりにやはり不安はありました。
行くべきか?行かぬべきか?
気持ちの整理が付かずにフラフラしているうちに、1日、また1日と日が過ぎていきました。
一番良くないパターンに陥っていることに気づき、とりあえずニートから旅人に戻るため、サーフィンついでに旅っぽいことをしてみたのです。
当時気になっていた、千葉の小江戸こと「佐原」に寄ってみました。
千葉の小江戸は伊達ではなく、風情ある街並みに酒蔵などもあり、気分は江戸時代。
そして、かなり軽い気持ちで何となく寄った所で、写真の銅像達に出会いました。
この銅像は、「伊能忠敬」という方で、日本中を歩いて地図を作り、日本史上初めて国土の正確な姿を明らかにしたそうです。
当時の私にはかなり響きました。
何よりも「この一歩から」このフレーズにヤラレました。
この心境でそんな事いわれたら…
すっかり伊能忠敬さんにシビレちまった私は、伊能忠敬さんに後押しをしてもらったかのような、勘違い効果でようやく旅に出る決意を固めたのでした。
続く………。