月と潮の仕組み「知っておきたい海のリズム」

ayana

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福島県いわき市出身、湘南エリアの海と人と街に惹かれ引っ越してきました! サーフィン、シュノーケリング、マリンアクアリウム、たまにウェイクボードや釣りなど、海や水に関わるものが大好きです! 海や周りの方々に感謝しつつ、この街を満喫しながら、湘南一白いサーファーを目指します!

Moon and Tides (1)

サーファーなら誰もが願う「良い波」。

とはいえ、良い波とは、レベルや人によっても異なります。

波の予測に必要な風やうねりに加え、欠かせない要素が潮回りです。

潮回りを知っておくと、波の形やブレイクが予想しやすくなり、好みの波に出会えるチャンスがぐっと増えます。



月と潮の関係

潮の満ち引きは、主に月の引力によって起こります。

月の引力で海水が引っ張られ、月に近い側と、慣性力により反対側でも海面が高くなります。

これによる上昇と下降が満潮と干潮です。

気象庁HPより引用

気象庁HPより引用




さらに太陽の影響も加わり、上弦・下弦の頃には小潮になります。


スクリーンショット 2025-08-19 142705

スクリーンショット 2025-08-19 142712

気象庁HPより引用






天体の動きは正確に計算できるため、その日の潮位の変化はタイドグラフで概ね把握できます。



潮回りの種類と波への影響

名称未設定のデザインのコピー

大潮

〇 新月・満月の頃。
〇 潮位差(満潮と干潮の差)が最も大きく、潮の流れが速くなるのでカレントも強くなりやすい。
〇 干潮・満潮の時間がはっきりしている。

干潮は、波が急に掘れやすくなり、上級者向け。浅いリーフでは危険です。
満潮付近では、波が割れにくくなることが多く、特にビーチブレイクではダラダラしたブレイクになりがちです。
その中間の上げ潮の時が、波がまとまりやすく初心者〜中級者向けです。

中潮

〇 大潮の前後にやってくる。
〇 潮位差はやや小さくなるが、まだ動きは大きい。

良い波になるチャンスは比較的多いです。
1日のうちに「乗れる時間帯」が見つかりやすい潮回りです。

小潮

〇 半月(上弦・下弦)の頃。
〇 潮位差が小さく、潮の流れは緩やか。

大潮や中潮に比べて潮回りによる変化が少ないので、上げすぎや下げすぎでサーフィンがしにくくなることが減ります。
一日を通して安定しやすい反面、ポイントによっては波の力がなくなる場所もあります。

長潮・若潮

〇 小潮の後に現れる特殊な潮回り。
〇 潮の動きがさらに緩やか。

潮の低い時間と高い時間が、それぞれ長く続く傾向にあるので、同じコンディションをキープしやすいです。
ただし、サーフィンに適しているミドルタイドの時間帯は限られます。
また、潮の動きが少ないため、力のない波になることも。

名称未設定のデザイン


波伝説のタイドグラフは、一目で潮位変化がわかるのでぜひご活用ください。

潮見表の下の、エリアカレンダーをタップすると、月齢カレンダーが表示されます。
※アプリ版では、潮見表の右下の「+」をタップで表示できます。

地形で変わる潮回りの影響

潮回りの影響は、そのポイントの地形で大きく変わります。

リーフブレイク

〇 潮が高い方が安全で形も良いことが多い。
〇 逆に潮が引きすぎると、シャローで危険性が高くなり、ケガや板の破損に繋がる。

基本は「潮が高い時間を狙う」のがおすすめです。

ビーチブレイク

ミドルタイドでは、潮が動くことで波が1サイズほどアップすることもあり、多くのポイントでサーフィンしやすくなる傾向があります。

ただし、砂の付き方で日々地形が変化します。
お気に入りのポイントでは、毎回「潮の動き」と「地形の変化」も確認することをおすすめします。

例えば湘南では・・・
〇 西湘方面などの地形が深いポイント → 満潮だと割れづらく、干潮の方が良い波に当たりやすい。
〇 鵠沼などの遠浅のポイント → 干潮時はダンパーや、ペラペラな波になりやすいため、満潮の方が良い。
〇 辻堂や湯河原吉浜などインサイドでダンパーになりやすいポイント → サイズがある程度あれば、潮が上げた方が切れた波(ショルダーが張る波)が増えて乗りやすくなる。


湘南エリアは、一定期間ごとに地形レポートをお届けしておりますので、こちらもご活用ください▽

『rikutoの湘南地形レポートVol.7〜2025年8月〜』
https://www.namidensetsu.com/news/rikuto/587756



ベストなタイミング

多くのポイントで、ミドルタイドがおすすめ。
特に、上げ潮の時間の3〜5分目(満潮までの中間)は、波が整いやすく形良く割れることが多いです。

ただし、場所によっては例外もあるので、自分のホームポイントでの傾向を知ることが大事です。



まとめ

潮の知識は、サーフィンの上達に欠かせない“海の時計”です。

月の引力が作る潮のリズムを理解すれば、波の予測がぐっと正確になります。

ポイントの地形や自身のレベルに合わせて、最適な潮回りを選びましょう。

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