台風の強さと中心気圧の関係
台風の強さは最大風速で決まりますが、風の速さだけではなくて、台風の中心の空気の圧力も大事です。
空気の圧力とは、空気の重さのことで、気圧とも呼ばれます。
台風の中心の空気の圧力は、周りよりも低いです。
これを中心気圧といいます。
中心気圧が低いということは、空気が軽いということです。
空気が軽いと、周りの重い空気が押し寄せてきます。そのときに、空気が動いて風になります。
中心気圧が低いほど、周りとの気圧の差が大きくなるため、風が強くなります。
過去に発生した台風のデータを見ると、中心気圧と最大風速にはある程度の相関関係があることが分かります。
以下にその関係をまとめてみました。
・強い(最大風速:33m/s以上・44m/s未満):中心気圧は965hPa以下(950hPa〜965hPa)
・非常に強い(最大風速:44m/s以上・54m/s未満):中心気圧は950hPa以下(915hPa〜950hPa)
・猛烈な(最大風速:54m/s以上):中心気圧は920hPa以下(870hPa〜920hPa)
(※https://harenote.com/typhoon-hpa参照)
(※hPaはヘクトパスカルという単位で、空気の圧力を表します。普通の天気のときは、1000hPaくらいです。)
中心気圧が低いほど台風の強さが高まる可能性があることが分かります。
北緯20度でうねりが湘南に届くとき、台風はどれくらい強いのか?
本州で台風のうねりが入る目安は、台風が北緯20度を超えたときです。北緯20度はどこかというと、沖縄の南の海の上で、台湾とフィリピンの間くらいです。
北緯20度付近からうねりが入る台風の強さが気になったため、2016年~2023年の間で北緯20度付近から湘南にうねりが届いた時の台風16例を調べてみました。
上記に書いた通り、台風の強さは中心気圧とある程度相関があるとされているため、北緯20度付近の台風の中心気圧を調査しました。
なお、北緯20度ピッタリの事例はほとんどなかったため、±2度の誤差までを北緯20度付近としました。

上の図に示されているように、北緯20度付近でうねりが入り始めた時の記録16例を平均すると、中心気圧は約950hPaでした。
台風の強さの分類でいうと、おおよそではありますが、「非常に強い台風」になります。
これは私も経験上感じていたことではあるのですが、ある程度発達した台風の場合が多いようです。
緯度1度の距離は、場所によって少しずつ異なりますが、平均的には111kmと言われています。
湘南の北緯は約35度から36度の間ですので、北緯20度から湘南までの距離は、約1700kmです。
さらに台風が湘南の真下ではなく、南西や南東方向など離れているほどさらに遠くなります。
Google Earthで距離を調べてみると、フィリピン海から湘南までの距離は約2400kmでした。

これだけ距離が離れていると、台風がある程度発達していないと、うねりが届きにくいのは想像できるでしょう。
しかし、さほど発達していない台風でも、うねりが入ったことがありました。調べたところ、3例ありました。
北緯20度付近の場合、一般には、「非常に強い台風」や、「猛烈な台風」のときにうねりが入ることが多いのですが、それ以外の台風でもうねりが入ることがあると分かりました。
もう少し事例が増えたら、どのような条件のときに、強くない台風でもうねりが入るか調べてみたいと思います。