米山予報士のウラナミ 『30周年記念挨拶巡りで乗った波』

米山予報士

米山予報士
米山予報士/大学を8年で卒業。その間、勉強などせず、山と海で遊ぶか家に引きこもっていました。当然、就職などまともにできるはずがなく、社会人経験もゼロ。なのに30歳になってしまいました。ただ、山のおかげで天気図に興味をもち、サーフィンをやっていたから気象予報士になれたと思います。サーフィンと気象、波情報の業務を精一杯頑張りたいです。

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今年は、波伝説が始まってから30周年という節目の年。日頃情報を提供してくださるリポーターの皆さんへ感謝の気持ちを伝えるべく、全国各地を巡る「挨拶巡り」が特に印象深い出来事でした。北海道から沖縄まで、4月から11月にかけて波伝説のスタッフが訪問。私自身も3回訪れる機会をいただきましたが、どの地域でもリポーターの皆さんの温かいおもてなしが心に残っています。
そして何より、各地で感じたのはサーフィンに対する熱意の凄さです。60歳前後の方が多かったのですが、私よりも海に行く頻度が多く、サーフィンの腕前も見事でした。素晴らしい写真や貴重なサーフボードも見せていただき、本当に刺激を受けました。

石川・内灘Photo_24-12-15-12-24-59.988
内灘は左側に堤防が長く伸び、その先端では釣りが楽しめるポイント。訪問当日のセットは堤防のさらに沖で割れるピークもありましたが、波はやや厚めで、ピークを貸切で乗る方が見られました。私は堤防から50~100mほど右側に離れたピークでサーフィンを楽しみました。南西風がやや強めでしたが、堤防が風をかわしてくれるおかげで胸肩、たまに頭サイズのファンウェーブを堪能できました。4月に訪れた際は湘南よりも水温が低く、地元の方々はブーツを着用していました。近くの金沢市街からは雪化粧の北アルプスが見え、その景色も印象的でした。

新島・シークレットの奥Photo_24-12-15-12-24-59.695
羽伏浦から見える一番右奥のポイント。羽伏浦は地形が深く波が割れづらい状況でしたが、このポイントだけはしっかりとブレイクしていました。この日はローカルの方もおらず、途中から崖崩れの危険性もあってかなりのロングパドルが必要でした。ポイントにたどり着くまでの距離が長く、これほど漕いだのは初めての経験でした(笑)。
波は新島基準で腰前後、湘南サイズで胸くらい。湘南であれば100人以上は集まりそうなコンディションでしたが、新島ブルーの海を私たち3人だけで貸切状態に。△に近い良い波もたまにあり、贅沢な時間を過ごしました。ただし、帰りもロングパドルが必要なので、体力配分には注意が必要です。

鳥取・小沢見Photo_24-12-15-12-20-56.468
このポイントに向かう朝、私は京都の八丁浜にいました。前日まではフラットで、この日も期待していなかったのですが、早朝に波チェックをすると腹サイズの波が割れており、日本海の波を予測する難しさを実感しました。京都から約2時間で小沢見に到着し、福岡へのロングドライブ前に1ラウンド楽しみました。
日本海らしい沖の風によるうねりの波で、胸サイズがあり、海で波待ちしていると肩サイズにサイズアップする場面も。日本海の波のタイミングを読むのは難しいと改めて感じました。ピークは複数ありましたが、中央にはローカルの方々、左側に数名、右側には私たち3人のみ。貸切で楽しめる嬉しいコンディションでした。

福岡・汐入川河口SnapCrab_NoName_2024-12-15_12-32-12_No-00
小沢見ポイントの翌日に訪れたのが、こちらの汐入川河口ポイント。最近は釣川河口が良いと言われていましたが、サイズダウンと潮の影響で割れづらく、こちらで波乗りすることにしました。日本海特有の風波のようなコンディションでしたが、実際に海に出ると腹サイズ前後の波がコンスタントに割れており、想像以上に楽しめました。
この日は、私たち3人とリポーターの松尾さん、そしてローカルの方が1人だけという非常に空いている状態。湘南だったら混雑していたであろう状況を考えると、少人数で海を楽しめたのはありがたかったです。

宮崎・小倉ヶ浜Photo_24-12-15-12-20-56.336
最後は宮崎県日向市の小倉ヶ浜。宮崎でも有名なポイントで、コンテストにもよく使用されるエリアです。地形的に風の影響を受けにくいことから、訪れると必ず楽しめる印象があります。前回はモモ~腰腹サイズで隣の金ヶ浜で楽しみましたが、人も少なく波に押されて十分に楽しめました。今回は胸肩~セットでさらにサイズがあり、人は多めでしたが、力強い波を味わうことができました。カレントが強くポジションキープが難しかったものの、乗れた時の達成感は格別。次回は空いているタイミングを狙って堪能したいポイントです。

以上が、2024年の挨拶巡りで訪れたポイントとその体験です。湘南と比べると空いていたポイントが多かったので、羨ましかったです。また、波伝説のリポーターの皆さんは本当にサーフィンが大好きで、その腕前も素晴らしく、歳を重ねても格好良い方ばかりでした。2025年も引き続きよろしくお願いいたします!

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