こんにちは。
まだ肌寒い日はあるものの、春本番を迎えていますね。
少し早いですが、今年の夏は全国的に暑くなる予報になっています。
平年以上に厳しい暑さになる日が多くなる見込みですので、いつもより用心深い熱中症対策が必須になりそうですね。
気象庁が発表する暖候期予報はこちら
さて、前回に引き続き「進化」のお話です。
前回のウラナミはコチラ → 塚本予報士のウラナミ『「しんか」ではなく「へんたい」です』
前回、ダーウィンの進化論では「高いところの葉っぱを食べるためにキリンは首を長くした」というのは実は誤解とお伝えしましたが、「じゃあダーウィンの進化論だとどうなの」という話です。
ダーウィンの進化論では、進化を「目的」ではなく「結果」として捉えています。
キリンの進化過程は謎が多く、現在も研究が続いている分野ではありますが、よく耳にする仮説を見てみましょう。

①ある日偶然、少し首が長いキリンが生まれた(いわゆる突然変異)
↓
②首の長いキリンは高木の葉っぱを食べることができた
↓
③首の長いキリンは栄養状態が他のキリンよりもよく、残す子孫が多かった
↓
④首の長いキリンの子孫が増えた①~④を繰り返し、全体として首が長いキリンが増えた
ダーウィンの進化論は「キリンが頑張って首を長くした」のではなく、「首が長いキリンがより多くの子孫を残した」という結果に重きを置いて解釈をしているのです。
そもそも「偶然、首が長いキリンが生まれた」時点で「首を長くする」目的を持って生まれたわけではないですよね。
進化の原動力が「目的」なのであれば、そろそろ背中に翼が生えた人間が生まれてもおかしくなさそうです。
ちなみに、高校で生物を学ぶとラマルクという学者の「用不用説」が出てきます。
これは目的論的な解釈をしています。
すなわち「高いところにある葉を食べる」という目的のもとキリンが頑張って首を伸ばし、首の長さが子孫に遺伝し、その子孫が首を長くしようと努力し…の積み重ねが首を長くした、という考え方です。
しかし、後天的に獲得した性質(獲得形質)は遺伝しないと考えられており、現在は否定されている学説です。
真夏に日焼けしたサーファーの子供が生まれながらにして日焼けしていることはありませんよね。

※なお、一部の生き物で獲得形質の遺伝を示唆する研究結果が発表されています。
難しいお話でしたので、今回はここまで。
今回紹介した「進化」については反例や説明できない例がいくつかあり、いまだに謎が多い分野でもあります。
いつか教科書が書き換えられる日がくるかもしれません。
それではまた!