誰も海に入っていないがサイズは頭半以上はありそう
Big Wave
バレルメイクは高等テクニックで完全にメイク出来た訳ではありませんが、走って、またはボトムターンやトリミングで波のスピードに合わせてバレルメイクを狙う際は、Wayanから前の肩を波側に向けて“ロックすること”を強くコーチングされました。
その通りにやってみると、確かに波により接近できてリップを食らうことが少なくなるばかりか、多少リップを食らっても体制が安定しているので我慢できるようにもなりました。
これまで45年間波乗りしてきながら、何と技術的に未熟だったのか痛感させられました。
でも何歳になっても、また永年やっていても、他人からコーチングしてもらうことはとても大切なことだと再認識しましたので、今後は体力の低下を少しでも教わった技術でカバーしていけたら嬉しい限りです。
確か2日目に6feetのお化けセットが入ってきた時に私はたまたまショルダーから一部始終を見ていたのですが、分厚い6feetが崩れ落ちるボトムに居たノブフク君は、お気に入りのJustice surfboardの7feetのNew Boardを離して思い切り波の下に飛び込まざるを得ませんでした。
何トンもの水量があいにく板の上に襲いかかったため、板は2ピースとなり、インサイドにいたYasuiさんめがけて板の先端部分がミサイルのようにカッ飛んでいき、Yasuiさんは急いで潜って難を逃れたそうです。
ハワイもそうですが、外洋で4feet(ダブルサイズ)以上の波の時には、その1.5倍くらいのお化けセットが入ってくることが稀にあります。ポイントに並んでいるサーファー全員が食らってホウキで掃いたように掃除されてしまうことから“Clean Up Sets”と呼ばれていますが、かつてハワイオアフ島サンセットポイントで入っていた時に、水平線からメラメラと割れだす“Clean Up Sets”を食らってしまったことがありました。
板を投げだして水中深く潜ったものの、グルグルに揉まれるほど大変怖い経験でした。
今回私は前半においてテイクオフが上手く行かず、5feetのセットのピークから真っ逆さまにパーリングしてしまいました。思いっきりボトムまで持っていかれ、水面に向かって泳ごうにも泡の中なので思うように上に向かって泳げず、リーシュを手繰り寄せて早く水面に上がるエマージェンシー行動をとりました。
しかし、水面に上がって泡の中で辛うじて軽く息が吸えたものの、次のセットを不用意に食らってしまい、再び水中深く持っていかれてしまいました。水面で軽くでも息が吸えていなかったら、と思うとゾッとします。
再びリーシュを手繰り寄せて呼吸を整えつつ、3発目、4発目を食らって辿り着いた場所はピークから300m以上もインサイドでした。(大粒の涙)
体力も戦意も喪失したために、ディンギーを呼んで一旦船で休養することにしました。
この私のヘビーワイプアウトの一部始終を見ていたフランス人サーファーが乗っていた船のガイドが、その後に心配してわざわざWayanに「あのヘビーワイプアウトした日本人サーファーは大丈夫だったか?」とSNSで連絡がきたほどでした。
少し船で休憩したら回復したので、リベンジの気持ちを心に誓って一番長い6’8のガンを取り出して再びパドルアウトしました。
まだ、5feet overの強骨セットがたまに入ってきていましたが、ピークよりも少しショルダー側の沖に一人だけでウェイティングし、そのセットをじっと待ちました。
ピークだと前が落ち気味になってしまいますが、そのポジションからテイクオフができれば上手く抜けられると読んでのポジショニングでした。