☆加藤のコラム『ポジティブこそが道を切り開く~スンバ編 Vol.8』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安全安心な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

☆加藤のトップターン

Big Waveでの☆加藤のTop Turn

感動のテイクオフ

20分くらいセットを待ったと思いますが、かなりアウトからメラメラとお化けセットが入ってきました。奥のピークにいたサーファーは誰も追いつけずにそのセットを食らってしまうはずですが、私だけはもしかしたらテイクオフに間に合うかもしれない。

間に合うか間に合わないかは分からないけれど、フルパドルのブンブンパドリングでショルダー側にパドルしていくと、何とかチャージできそうなポジションに行けそうに思えました。

あとは“Go for it”のみ。めくれあがってくる大波に身体が浮き上がりつつ、それに逆らうかのようにショルダー側に板を向けてさらにブンブンパドリングしました。手前で見ていたサーファーから歓声が上がっていたようですが、その歓声を認識できたのは感動のテイクオフを完璧にメイクしてボトムに降りたあとだったくらい波に集中していました。

「やったぜ~!!!!」心の中でガッツポーズと雄たけびをあげたのはもちろんでした。

この日最大のセットをメイクし、深いボトムターンから反り立ち上がるトップに駆け上がり、軽くスプレーを飛ばす快感のトップターンを2回ほど入れられたものの、ミドル付近でバックウォッシュが入って厚くなってしまいプルアウトせざるをえませんでした。

結果的に、このトリップ中の私のベストテイクオフ・ベストライディングでした。

残念ながら、前のセットの波に遮られてノブフク君が私を撮影することができたのはプルアウト寸前に掲げたダブルピースのみでしたが、ピークに戻ると日本人サーファーらから拍手と祝福を受け、“サーファーとして至福の瞬間”を味わいました。その晩は記憶がなくなるくらい美酒を飲んだことは言うまでもありません。笑笑

写真はVサインのみだったが、その時の感動は深く心に刻まれた

写真はVサインのみだったが、その時の感動は深く心に刻まれた

この後も何本か良い波におけるライディングはありましたが、この日のこの会心の1本はヘビーワイプアウトの後だっただけに感慨深く、自分を評価しても良い思い出に残る1本となりました。

ヘビーなワイプアウトの後でもポジティブに考えたことと、「なにくそ~!!!」のリベンジ精神が立ちはだかる壁を打ち破るブレイクスルーの大きな要因になったのだと思います。

ある晩、皆でお酒を飲んでいた時に「サーフィンにハマったきっかけは何?」という話題になりましたが、ほとんどの人が「波にまったく乗れず悔しかったから」という回答でした。

以前にもお話しましたが私の場合も、リーゼントヘアの暴走族だった友人に久しぶりに会ったら、当時のジェリー・ロペス氏のようなロングヘアに大変身していて、生き方や髪型までも大きく変えるほどサーフィンは面白いからぜひにと誘われたのがキッカケでした。

しかし、初めて連れていかれた千葉鴨川グランド下では、たぶん胸サイズくらいの風波だったと思いますが、ドルフィンを教えられていなかったので結局一度もアウトに出られず、帰りの車では口惜しさと情けなさで一杯でした。

その悔しさをバネに、その後は一人で“コソ練”を続けて波乗りにハマりましたが、独学でやったものですから、テイクオフして周囲の景色がガラッと変わる感動の瞬間を味わうまでに三か月間もかかったのでした。(涙)
今でも中々上達しないのを今回痛いほど認識したので、次回Baliなどで機会があればWayanのスクールを受けようと考えています。

ピュアで優しくゲストを喜ばせるために一生懸命サポートするWAYANは最高のガイド

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自分もそうでしたが、サイズのある良い波で沢山サーフィンすると、自分の限界点を高めてくれるものと確信しています。

かつてメンタワイに立て続けに行って、良い波をサーフしまくった波伝説ライダーの「高橋健人」プロは、帰国後のJPSAで初優勝することができました。後日彼が言ってましたが「メンタワイの良い波でサーフィンし続けたことが自分のパフォーマンスを引き上げてくれて初優勝に結びついた」のだと。

今回参加されたすべてのゲストが、9日間の頭半~5feet以上のGood Waveで波乗りし続けた結果、自分のパフォーマンスをさらに高めたものと確信しています。

そのうえで、とても気持ちの良い素敵なゲストのメンバー、ガイド、シェフに恵まれた今回のボートトリップは、本当に貴重かつ有意義なものとなりましたし、貴重な写真を水中から撮り続けてくれたノブフク君も含めたすべての皆さまに心から感謝申し上げたいと思います。

お世話になったクルーに感謝の気持ちとして

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ゲスト・スタッフとの記念撮影 楽しかった旅はあっという間に終了!?

ゲスト・スタッフとの記念撮影 楽しかった旅はあっという間に終了!?

近いうちに日本在住組で反省会を行うことが決まっていますので、きっと来年の計画が練られることでしょう。自分の波乗りの技術的なテーマははっきりしましたので、それまでに修正・改善してスムーズなテイクオフから天までスプレーを飛ばす“ワッパー”を決められたら最高です。

ノブフク君の約10000枚の写真をチェックして再認識しましたが、やはりスンバの波は本当に素晴らしい。でも、今回の波が人生の最良の波だったかといえば、違うはずだと応えておきたいです。

なぜならば、最新のトリップマガジン「Coyote(No.78)」のインタビュー記事の中で、サーフィンの神さま「ジェリー・ロペス」氏はこう語っているからです。

「よく訊かれることだけれど、一番良かった波がどの波だったかなんて覚えていない。だって一番いい波は次の波だから。次の波を求めているのが僕の人生だったし、次の瞬間がどうなるのか分からないからサーフィンは楽しいんだ…」

「夢をグライドする」ために、これからも皆さまとご一緒にいい波を追い求めてまいりましょう。(了)

次の波がある限り、波乗り人生はこれからも続く

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