※今回のウラナミには、一部個人的な見解が入っていることを予めご了承ください。
北京オリンピックでの日本人選手の活躍に大いに喜びつつ、その一方で高梨沙羅選手へのジャンプスーツの規定違反に憤慨していたのも束の間、プーチン大統領によるロシア軍のウクライナ侵攻によって、一般市民の平和な暮らしと営みが踏みにじられ、歴史ある美しい街が破壊され、子どもを含めた多くの死傷者を出し、ロシア人を含めた世界中の人々が日々心を痛めています。
第一次世界大戦後にその戦争を防げなかった反省のもとに出来たのが国際連盟ですが、その後にさらに大きな犠牲を出してしまった第二次世界大戦を防げなかったことから発足したのが国際連合です。
しかし、正式な国連軍という軍隊は無く、その後も中東戦争とその後の内戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イランイラク戦争、フォークランド戦争、アフガニスタン戦争、湾岸戦争などが続き、そして2014年のクリミア半島へのロシアの侵攻があって今回のウクライナ侵攻につながっていますが、世界はいつまで争いを繰り返すのでしょうか?なぜ罪のない子どもや市民が犠牲にならなければいけないのでしょうか?
ウクライナの首都キエフの惨状を東京に重ねて考えると、銀座や浅草の歴史的な街並みが砲撃で破壊され、皇居や都庁舎が焼かれ、多くの死傷者が発生し、数百万人の都民が西や北に向かって歩いて脱出している状況ではないでしょうか。
歴史を辿ると何度もロシアがウクライナを侵略していますが、同じ民族であり、言語・文化を共有しているのになぜ殺し合わねばならないのでしょうか?
日本でも15~16世紀にかけて戦国時代があり、明治維新においても列強との関わり方の違いや急激な西洋化への反発から日本人同士の戊辰戦争がありました。争いには双方に正論があるのが常ですが、なぜ話し合いで解決できなかったのでしょうか?
NHK『龍馬伝』で強く印象に残った坂本竜馬(福山雅治)のセリフは、『(争いによる)憎しみからはなんちゃ~生まれんと』です。
ドラマ『水戸黄門』などでかたき討ちをやり遂げると、そのことを評価するような結論になることが往々にしてありますが、殺された家族は再びかたき討ちを誓い、永遠とお互いが殺し合う恐怖のスパイラルに落ちてしまいます。
朝日新聞が2015年に特集した『プーチンの実像』を朝日デジタル(有料)で読むと、ソ連崩壊後に東欧諸国の民主化を推進した一番の功労者はロシアであるのに、なぜ東欧はその包囲網となる西側のNATO軍事同盟に加わるのか、プーチン大統領はロシアの存続の危機を感じて相当なストレスを抱え続けていたことがよく分かります。
だからと言って今回のウクライナ侵攻は許されるものではありませんが……
この原稿を書いている3月7日は平和の祭典であるはずの北京パラリンピックの真っ最中ですが、今後ロシアはオリンピックのみならず、サッカーワールドカップやその他のスポーツの世界選手権大会や世界との交流イベントから外される可能性が十分に考えられます。
しかし、ロシアの選手に責任はないし、ほとんどのロシア国民にも責任はないと私は考えます。一方、ロシア兵を殺したウクライナ兵士も、自分たちの子どもや家族、そして郷土を守るために致し方なく追い詰められて戦った結果です。だからこそ戦争は絶対にしてはならないのです。
弊社の企業理念の私たちの思い5に、「ネットワークで平和を築きます」とありますが、今日となっては国連と同様にその無力さに呆然とならざるを得ません。
いつになったら平和な世界になるのでしょうか?いつになったら人類は殺し合いを止められるのでしょうか?
昨年某所で一緒に波乗りしたロシア人サーファーは、いまどうしているのでしょうか?もしかしたら、反戦デモに参加して当局に拘束されて投獄されているかもしれません。
平和な世の中や平和な国だからこそ、安心して働けて、学校で学べて、サーファーは波乗りすることができます。
日頃、平和を口にすることは稀ですが、今の平和な日本に心から感謝します。
第二次世界大戦で日本は多くの都市が焼け野原となり、多くの市民が犠牲となりました。その悲しみが癒えることは無かったはずですが、日本国民は憎しみよりも相当な努力を重ねて、朝鮮戦争、ベトナム戦争という特需があったにせよ、経済で目覚ましい高度成長を遂げて一時は世界第二位の経済大国にまで駆け上りました。
『(争いによる)憎しみからはなんちゃ~生まれんと』
日本からそのことを強く発信し、一日も早くウクライナに平和を取り戻し、真に平和で人に優しい地球に近づけていきたいものです。(了)