唐澤予報士のウラナミ『台風10号狂想曲』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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2024年8月29日朝の鵠沼

いやー、まいりましたね。何かというと台風10号。

プライベート的なサーフィンでいうと、8月27日はオフショアの肩サイズ、28日はオフショアの頭オーバー、29日は弱いオンショアでの肩サイズと、数日にわたって波乗りができて、特に8月28日は人が少ないこともあって沢山乗れて大満足できました。台風としては大きな波ではなかったものの、まずまず満足できました。

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しかし、大変だったのは仕事の予報業務!

なぜ、大変だったかというと、ご存じの方も多いかと思いますが、毎日のようにコロコロと予想進路が変わったから。熱帯低気圧が発生して台風に発達すると予想されると、気象庁から台風の進路予想図が発表されます。台風進路予想図とは、5日先まで、台風の中心が70%の確率で入るのを表した円を結んだものとなります。
スーパーコンピューターの性能の発達、数値予報の進化などもあって、気象庁から発表される台風の進路予想が大きく外れることはめったにないのですが、今回は、そのめったにないケースでした。台風発生当初に発表された予想だと、台風10号は日本の南海上から北上してきて東海付近に上陸後に日本海に抜ける予想だったのが、日に日に進路は西にズレていき、最終的には九州の西海上に北上後に、九州に上陸して、四国・本州に再上陸となりました。

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このように進路が変わったのは、上空の寒気をともなった低気圧に引っ張られた、台風によって東海上の高気圧が発達して押された、台風を動かす偏西風に乗れなかったなどの複数の要因があります。さすがの気象庁であっても今回の台風10号の予想は簡単には当てられなかったようです。

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この台風の進路が変わり続けたことで、何が大変だったかというと、波の予想も変わり続けたためです。台風の進路・位置が変われば、波の発達の度合いや風の予想なども変わるので、波の予想は大きく変わってきます。毎日、朝には当日の予想、昼前には7日先までの今後の波予想、午後には翌日の波予想を、全国+全国各エリアで作成しているのですが、これが毎日変わり続けることになるのです! マジで大変な一週間でした。脳みそだけではなく、キーボードを打つ体も疲弊する一週間でした。

何てことを書いているうちに、台風11号・12号も発生し、日本の南海上では新たな低気圧性の渦が発生する予想になっています。台風シーズンはあと2ヶ月。何とか頑張ります!

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