唐澤予報士のウラナミ『「デイゴ」と「台風」』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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海面水温予想図(7月31日) 気象庁HPより

THE BOOMの「島唄」の歌詞冒頭はご存じでしょうか? 著作権の問題があるので直接は書けませんが「デイゴの花が咲く」「風が吹く」「嵐がくる」といった内容です。

デイゴは、漢字で書くと「梯梧」で、マメ科の落葉高木。春から初夏にかけて咲く赤い花が知られており、インドやマレー半島が原産で日本では沖縄県が北限とされています。沖縄の県花ともなっています。
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このデイゴですが、沖縄ではある言い伝えがあります。昔から「デイゴが見事に咲くと、その年は台風の当たり年で、天災に見舞われる」と言われています。THE BOOMの「島唄」の冒頭は、まさにこのことを歌っています。

自分が知る限りでは、科学的根拠は分かりませんが、沖縄のオジィー(おじいさん)・オバァー(おばあさん)が語り継いでいることなので、統計的にはある程度の相関があるのではないでしょうか。

そんなデイゴですが、今年は暖冬の影響もあったためか、満開で、満開になる時期も早かったそうです。ということは、今年は台風が多くなるのかもしれません。このウラナミを書いている時点(7月20日)では、台風の発生数はまだ2個と平年よりも少ないのですが(平年だと7月一杯までだと7.7個)、台風の発生域である太平洋西部熱帯域(沖縄南海上~フィリピン付近)の海面水温は平年よりも1~2℃くらい高い予想になっており、今後熱帯性低気圧の発生・発達の可能性を秘めています。

我々サーファーにとっては台風からのうねりは何よりも待ち遠しいのですが、接近・上陸に伴い海・陸ともに大きな被害が発生します。

波伝説の台風情報・概況・数値予報などをしっかりと確認し、台風のうねりを楽しみつつ、事故のないように早めの防災対策をするようにしてください。特に、今年は新型コロナとの共存が求められており、避難所でも3密を避けなければなりません。公共の避難場所以外にも、親戚や知り合いなどで避難できる所を確認しておくようにしましょう。

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