上條将美のウラナミ『サーフィンのバイブス』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

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こんにちは、上條将美です。
ここ最近は、残念ながらコロナによって日々の行動・生活が急激に厳しいものになっていますね。こんな時だからこそ持ち出しは多くても海外にでもサーフトリップに行ってストレスを解消したいところですが、とてもそんな状況ではないですね。

こんなご時世なので最近は波伝説、また自分をケアしてくれているスポンサーの出張や営業はほぼ無くなりました。そんな時ですが、改めて振り返って考えるとそれぞれの地域やポイントによってサーフィンに対しての接し方、やり方が全然違うなと思いました。
まず、自分でいうと最寄りの鵠沼〜辻堂の海までは自転車で約10分程度。海まではサッと行ける距離です。ただし、いかんせん湘南は波が小さいです。いわゆる、尖ったノーズのパフォーマンスボードで満足にサーフィンできる日はかなり少ないです。
また、鵠沼を中心におそらく日本で一番混雑しているエリアなので、そういう理由からも海に近いながら、サーフィンしない時が多いです。仕事とのタイミングもありますが、10日間くらいサーフィンしないのはごく普通です。

一方、波伝説の別オフィスがある千葉では、波がフラットよりもデカくてジャンクで厳しいという日が多いと思います。以前のウラナミでも書きましたが、自分が数年間だけですが千葉に住んでいた時は、湘南の感覚で言うと毎日がサーフィンを楽しめる日なので、休憩をするべき日のタイミングがわからず体調を崩してしまいました。もちろん、自分の体力不足や体調管理もあるとは思いますが、ここまで湘南と千葉で違うものかと愕然としました。

波の小さい湘南では、どうやって小さい波でも走って軽めのアクションを入れられるかの練習が多いです。一方、波のある千葉では走ることではなくアクションの練習が毎日できます。一日100本小さい波で板を走らせて軽いアクションを入れる練習。一方は、一日100本スピードをつけてアクションやエアーの練習ができる。それを1年間で、2年間でと考えると物凄い差になりますよね。

ただ、上記の話はあくまでもコンペ思考的です。湘南でも台風などでサイズが続く時もあります。そうなると、波が続いた4日目以降からはサーファーがだいぶ減るイメージがあります。やはり、波のある外洋と湾の奥に入っておおむね波が小さい湘南とではサーフィンで満足する感覚が違う気がします。

それでも、別のエリアでのサーファーのサーフィンに対する考え方や取り組みを知ることによって、改めて考えが変わることがあります。以前、スポンサーの関係で福島の某ポイントに行くことがありました。自分の感覚では海上がりはすぐに洋服に着替えて食事や数時間の休憩をすることが当たり前でした。でも、その某ポイントのサーファー達は海に来るまでに片道1時間前後かかる方が多く、毎週末の土・日に海に来るにはガソリン代だけで毎月数万円かかるとのこと。なので、1ラウンド入って自分たちは洋服に着替えたものの、そのメンバーは誰も着替えることなく少しの休憩で2ラウンドに入り、さらに軽く食料補給をして3ラウンド目もこなしていました。やはり、練習は嘘をつかず、自分より歳上の方でも体力があり、リッピングしていました。
自分も、サーフィンが楽しくて少しでも上手くなりたいと思っていた10代の頃はそうとうの時間を練習したと思いますが、この時は改めてとても良い刺激を受けました。
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