ナッカルビのウラナミ『広がるORIGAMIの可能性』

ナッカルビ

ナッカルビ
湘南生まれ、湘南育ちながら海との接点が乏しい半生を歩む…。 今は自分の趣味より家族を優先しがちな中年です。 会社で教わったSUPを趣味にできたら、うれしいな。IT局所属。

origami

こんにちは、ナッカルビです。
ウチの下の娘(6歳)は工作が好きなので、折り紙で何か作ってとせがまれることが多いです。
そんな幼児の遊びの定番「折り紙」が、様々な分野で役に立っていることについて紹介します。

皆さんは、折り紙が科学の世界でも活躍していることを知っていましたか?
日本の伝統的な技法が、世界の最先端分野で新たな可能性を開く「ORIGAMI」として注目されています。
その応用範囲は広く、工学、建築、医療分野などと多岐にわたりますが、その一部をご紹介いたします。

まず有名なのは、1970年代に航空宇宙工学者の三浦公亮さん(東京大学名誉教授)が開発した「ミウラ折り」と呼ばれる折り方です。平面の端部をひっぱるだけで、大きな面積の構造体を効率的に展開することができる特徴があります。その特徴から宇宙空間で使うことを想定した展開型の太陽光パネルの開発に採用され、宇宙実験・観測フリーフライヤ SFU による宇宙空間での太陽光パネルの開閉実験に成功しています。

JAXA – 宇宙実験・観測フリーフライヤ SFU

展開型の太陽光パネルのイメージ、ミウラ折りのブランドホームページより引用

展開型の太陽光パネルのイメージ、ミウラ折りのブランドホームページより引用

ミウラ折り(株式会社 井上総合印刷)のブランドホームページ



東京大学の舘知宏教授は、この「ミウラ折り」を応用して、新しい建築物の構造を作り出しました。この構造は、一方向の伸び縮みは簡単だが、それ以外の方向には変形しにくい特徴を持っています。端に力をかければ、全体が伸び縮みするので、伸縮の動力は少なくて済み、とても実用的なのだそう。このような特徴から、仮設建築物などに活かせる可能性があり、実用化が期待されています。

剛体折紙メカニズム



他には、北海道大学の繁富香織特任准教授が考案した「細胞折り紙」という技術では、立方体の展開図のようなマイクロプレートを用いて、細胞を立体的な構造にすることができます。従来の技術であるシャーレの平面上での培養では、がん細胞の浸潤や転移などのふるまいを平面上では再現しきれていないという根本的な課題がありました。しかし、この技術によってがん病変の基本構造を体外で立体的に再現することが可能になり、がんの創薬研究に役立つことが期待されています。

北海道大学xSDGs – 「折り紙」が導く医学×工学イノベーション



上記までは研究により過ぎたので、親近感が湧く利用例も。
折り紙ボートのOnak(オーナク)です。
1枚の大きなシートを折ることで完成するボートで、省スペースでの保管が可能な優れものです。






これを見ると、折り紙の船を風呂に浮かべて遊んだことを思い出します……まぁ、沈みましたけどね…

子供の頃から慣れ親しんだ遊びに、こんなに大きな可能性が秘められていたなんて、驚きですね。
では、今日も折り紙でウサギでも折りますか……次回もよろしくお願いします。

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