米山予報士のウラナミ『ミンミンゼミとチャンミー』

米山予報士

米山予報士
米山予報士/大学を8年で卒業。その間、勉強などせず、山と海で遊ぶか家に引きこもっていました。当然、就職などまともにできるはずがなく、社会人経験もゼロ。なのに30歳になってしまいました。ただ、山のおかげで天気図に興味をもち、サーフィンをやっていたから気象予報士になれたと思います。サーフィンと気象、波情報の業務を精一杯頑張りたいです。

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皆さん、こんにちは。
ようやく梅雨明けしましたが、8月は猛暑ばかりでミンミンゼミの活動が活発ですね。僕の家の近くでは朝の早い時間にはミンミンゼミが鳴き叫んでいます。また、概況を書くときはリモートワークが多いので、PCを通して同僚の家の近くでもミンミン鳴いているのが聞こえ、波チェックをしていてもミンミン、コンビニやスーパーなど買い物に行くときもミンミン、そして、このウラナミを書いている時もTVの中からミンミンと聞こえています。ここまでくると、いっそのこと目覚まし代わりに起こして欲しいのですが、夜明け前から働く時は当てにはできませんし、休みの日はゆっくり寝ていたいので、どっちにしろ勘弁してくれと思います。セミが好きな方、ごめんなさい。決して嫌いではありません。連日暑過ぎて、ミンミンゼミのせいにしてみたいだけです。

さて、そんな2020年の夏にようやく台風が発生してきました。台風5号チャンミーは太平洋側を中心に南西うねりを届けてくれましたが、湘南は最大でも胸近いサイズになったくらいで、風波混じりのパワーのないコンディションになってしまいました。もうちょっと台風らしいうねりになるのかなと思っていたのですが、やや期待外れでした。

低気圧よりも台風のうねりを予想するのが難しいのは、低気圧が西から東に進むことが多いのに対して、台風は動きが不規則で、時には停滞し、東西南北自由に動くからだと思います。基本的には太平洋高気圧の縁を通って偏西風帯に進むと速度を上げて西から東に進むと言われていますが、波の予報をしていると実際にはセオリー通りのことのほうが少なく、結果、数値通りにうねりが入らず、波高10mでも台風への吹き込みが沖に向かう風でサイズが小さいことがあったり、遠くの海域からいきなりダブルサイズのうねりが入ったりすることがあります。

今回は2018年、2019年に東シナ海を北上した台風の時に湘南はどんな感じだったのかと気になったので、過去の記録を調べてみました。


2018年台風10号

進路:東シナ海から中国大陸へ進んだ
勢力:あまり発達はしなかったものの、3日間ほど985hPaを維持した
サイズ:腹、最大胸近いサイズだった
他の地域:磯ノ浦・内妻は頭半くらいで、御前崎は頭オーバーだったので、西日本に比べると東日本はサイズが上がらなかった
2018年台風 (1)



2019年台風13号

進路:東シナ海を北上し、北朝鮮付近に上陸した
勢力:940hPaと非常に強い勢力になった
サイズ:最大で腹しか上がらなかった
2019年 台風経路



2019年台風17号

進路:朝鮮半島までは進まず、対馬と九州の間を通って日本海に進んだ
勢力:970hPaが最大
サイズ:東シナ海の時に予想よりも早く胸前後になったが、思いのほかサイズは上がらず、九州の横を通った時に腹胸、最大肩。日本海に進んでからは風波が強まった
2019年 台風経路 (1)



2018年台風7号

進路:朝鮮半島までは進まず、対馬付近を通って日本海に進んだ
勢力:強い勢力まで発達していた
サイズ:沖縄付近を通過し、東シナ海に入った時に頭くらいのうねりが入り、しっかりとサイズが続いた
2018年台風

東シナ海を北上した台風の過去の記録をみると、台風の勢力が強くても湘南は予想よりもサイズが上がらないことが多く、数値よりは少し控えめに考えておいたほうが良いのかもしれません。
また、このコースは最終的には風が入ってしまうので、波質もそれほど期待はできなさそうです。
ただし、東シナ海から朝鮮半島まで進まず、対馬付近または対馬と九州の間を通って日本海に行くときはサイズが上がっています。2018年から調べるとこのような結論にはなるのですが、やはり例外もあるので、あくまで傾向として考えたほうが良さそうです。

最後にチャンミーのうねりが入った日の波伝レポ動画をまとめてみました。台風の時はレポ動画も活用して楽しんでくださいね!

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