岡野予報士のウラナミ『冬の低気圧、1月に最もサイズアップした日』

岡野予報士

岡野予報士
サーフィンを初めて、天気図などに興味を持ち、気象予報士資格を取得。その後、バリへ移住しサーフィンスクールで3年程就労しました。波伝説の予報士として、波情報はもちろんワクワクするような情報も提供させていただければと思っています。どうぞよろしくお願いします。

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こんにちは。

今年は平年よりも暖かい冬となり、暖気が入り低気圧が発生しやすくなっています。

2024年1月、千葉北で最も大きくサイズアップしたのが1月22日でした。
122 志田9時

  • 一宮周辺の22日午前9時頃 頭半~ダブルサイズ

 

要因は、関東の東に抜けた南岸低気圧と、19日(3日前)のはるか東海上で発達した低気圧のうねりが入ってきたことでした。

22日の天気図では、関東の東海上に低気圧があり、サイズが出てきそうな感じがしますね。
1.22.09

1月22日午前9時 実況天気図(日本周辺域)

22日午前0時の波高図では、北東~東~南東の多方向から波が入ってきているのがわかります。これでは波はグチャついてしまい、この後から北東~東のうねりが本格的に入ってくる事になります。

22.00

22日午前0時 実況波高図

この規模の低気圧だけでは、ここまでクローズアウトになる事はなかなかないのですが、要因がもう一つあります。
1.22.15うねりの周期

22日午後3時 実況うねりの周期図

22日午後3時のうねりの周期では、はるか東海上からうねりが入っている事がわかり、茨城や千葉では周期が長くなっている事がわかります。
この周期となる元が、19日(約3日前)にはるか東海上で大きく発達した低気圧によるものと考えられます。
1.19.15天気図(アジア太平洋域)

1月19日午後3時 実況天気図(アジア太平洋域)

 

1月19日の実況天気図では、はるか東海上に日本列島よりも大きな低気圧があり、赤丸で示した海域では、うねりの元となる強風域が広く、等圧線が狭くて風が強く、吹く距離も長い事がわかります。

波は、ある一定の場所で風が吹き、風速が強いほど、また吹く距離(吹送距離) 及び吹く時間(吹続時間)が長いほど発達します。これを風浪といい、サーファーにとっては風波と呼ばれています。
そして、風浪(風波)が風の吹かない領域まで進んだり、海上の風が弱まったり風向きが急に変化するなどして、風による発達がなくなった後に残される波がうねりになります。
⑤うねりのでき方(気象庁HPより)

うねりのでき方(気象庁HPより)

 

時間差はありますが、大きなじょう乱が二つ以上重なった時に、大きくサイズアップする事が多々あります。

私が、日々気象検証をしてみたところ、北緯40°以南に低気圧が東にゆっくり進んだ時や停滞している時が、千葉北ではサイズアップする傾向でした。

19日の低気圧の中心も、おおよそ北緯35°くらいの位置にありました。

サーファーにとっては波のサイズが大事になってくるので、低気圧の位置やスピード・発達具合を気にしておくと良いと思います。

さて、サイズアップ後の23日は?

123 9時サンライズ

一宮周辺の23日午前9時頃 頭オーバー~オーバーヘッドサイズ

 

23日は、コンディションが徐々に落ち着き、午後からは△で遊べるコンディションとなりました。

それではまた。

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