スンバの見事な夕焼け
「オミクロン株派生型「XBB(グリフォン)」で船内クラスター発生!?」
今回の旅の後半に、日本人ゲストが高熱と喉の痛みとせきを訴えてパタパタと倒れていくアクシデントに見舞われました。
そのウィルスの感染力の強さもさることながら、前日まで元気いっぱいサーフィンしていたゲストがいきなり倒れていく感染速度の速さに恐怖を感じたほどです。
まずはKazu君が倒れてベットから一歩も出てこられず、高熱があったので持ってきた氷嚢(ひょうのう)を提供して解熱に使ってもらいました。続いてケンタ君が倒れました。それまで全身真っ黒に日焼けしていたのに、顔が土色になってしまい、皆が回復したときに話題に上ったほどです。
誰よりも元気いっぱいにサーフィンしていた二人が共にベットから出てこられない緊急事態に、船内でクラスターとなったらと不安になりましたが、その不安は現実のものとなりました。
その後にインドネシア政府が発表し、日本でも感染が確認されている新型コロナウイルスの変異オミクロン株の派生型「XBB(グリフォン)」に感染したものと思われますが、すぐにSonさんが、そしてMさんご夫婦(M子さんは軽度)、さらにキョウタ君、最後にYasuiさんが倒れました。
病にかかった皆が急激に具合が悪くなって、熱、喉の痛み、せき、倦怠感、食欲不振に襲われ、ベットでの静養を余儀なくされました。
それをみていた船のクルーが、市販薬の「TOLAKANGIN」を飲み始めたので、我々もそれをもらって飲むことにしました。生姜湯を濃くしたような味のこの大衆薬は、インドネシアの薬局のみならずコンビニでも売っている庶民愛用の昔からあるお薬で、ショーガなどナチュラルな薬草のみで化学薬品は入っていないようです。
そのままでも十分に飲めますが、お湯で薄めて飲むと飲みやすいです。1袋15ml入っているパックが5袋入ったものでも1箱で30,000~40,000ルピア(約30~40円)くらいなので、これから日本は風邪やインフルエンザが流行る時期に突入するので、お土産にちょうど良いかもしれません。私も職場へのお土産用として、複数個購入してきました。
ちなみに、Yasuiさんとケンタ君はその後の病院でのPCR検査で陽性が確認されました。
結局、シホママ、ノブフク君、そして私の3名が罹患せずに生き残りました。
私の場合は旅行前に4回目打つ予定だったファイザーのワクチンを急きょ「オミクロン対応ワクチン」に変更希望して打ってもらったのが良かったみたいです。
元々ワクチンを打っていなかったキョウタ君、Sonさん、Kazu君、Yasuiさんはかかりましたが、ワクチンを打っていたMさんご夫婦は比較的軽症で終わり、ワクチンを打っていなかったもののシホママは結局かかからず仕舞いで、最後まで笑顔でガンガンサーフィンしていました。笑笑 結局のところ免疫力などによる個人差があるということなんでしょうね。
最終日のラストラウンドのサーフィンを終えて、シホママと私はお互いの健康を讃えてハイタッチし、Bintan Beerで乾杯したことは言うまでもありません。笑笑
ある晩の宴の席でノブフク君から大変貴重な話を聞きました。
それはメンタワイにあるHTサーフリゾートに、深川達也プロとノブフク君とでデカい波を狙ってステイしていた時の話なんですが、ついに10feetの波がヒットしたものの、達也プロは持参したガンを立て続けに折ってしまい、残された板は一番短い5’10のみになってしまい落ち込んでいたそうです。
「もう終わりっす…」
しかし、ノブフク君は諦めきれず、「達哉、ここに何のために来たんだよ。もうこんな10feetのHTなんて一生経験できないかもしれないんだぞ。絶対にやるべきだ。」
5’10の板で10feetの掘れ掘れHTをメイクするには短すぎるのは歴然なため、最初達哉プロは諦めていたものの、その後意を決してパドルアウトしていったそうです。
一人一番奥のポジションにウェイティングして1時間くらいは待ち続けたあとに、ついに達哉プロのところに狙っていた10feetのセットの波が入ってきて、レイト気味のテイクオフからすっぽりとバレルに入り、何秒間もバレルの中を走ったのちにスピッツとともにガッツポーズの達哉プロが飛び出てきたそうです。
HTポイント近くにステイしていた何隻ものサーフボートのサーファーから大歓声が上がり、達哉プロも両手を高々と上げてガッツポーズしたそうです。もちろんノブフク君もビーチから、歴史的なバレルメイクを逃すまいとシャッターを押し続けた後に、雄たけびと共に両手を高々とあげて達哉プロの快挙を祝福したそうです。
「諦めたら終わりですが、やればできるんだ!!!」を証明した実話を聞いて、今回のゲストの誰もが奮い立ったのは言うまでもありません。