唐澤予報士のウラナミ『どうなる今年の夏?』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

4月21日台風2号

4月21日の台風2号による辻堂の波

今年は、西日本を中心に異例の早さで梅雨入りとなりました。九州~東海では平年よりも20日ほど早い梅雨入りとなっています。これは地球温暖化のせいではなく、亜熱帯ジェット気流と呼ばれる上空の流れが平年と異なっているからのようです。また、台風2号が4月13日に発生。最低気圧は895hPaにまで下がり、瞬間最大風速は85m/sを観測しました。4月の時点で中心気圧が900hPa以下となったのは観測史上初めてのことでした。今回のような4月に「猛烈な台風」が発生したのは、海水温が30度近くと高かったことや、 「マッデン・ジュリアン振動」といわれる「熱帯赤道域上空で対流活動が活発な領域が約1~2か月かけて東に進んでいく現象」がおきていためと考えられています。(筆者も初めて聞いた言葉ですが……。)

さて、沖縄・奄美に続き九州南部でも梅雨明けし、このウラナミが公開となるころには各地で梅雨明けしていると思われます。テレビやネットニュースなどで今年の夏がどうなるかの予想をちらほら目や耳にするようになってきましたが、サーファー視線でどうなるか考えてみたいと思います。

まず、一般的な天気という点では、平年並かやや暑い夏となりそうです。6月25日に気象庁から発表された7~9月の三ヶ月予報では、「北・東日本と沖縄・奄美で高く、西日本では平年並か高いでしょう。」となっています。また、気象庁より発表されている最新のエルニーニョ監視速報では「昨年夏から続いているラニーニャ現象は終息に近づいている」「ラニーニャ現象は春の間に終息する可能性が高い(80%)」「夏から秋にかけては平常の状態である可能性が高い」というようになっていることもあり、おおむね平年通りとなりそうです。
3ヶ月

(気象庁HPより)

上記の「エルニーニョ監視速報」や「予想される海洋と大気の特徴」をもとに波のことも考えてみたいと思います。フィリピン付近での積乱雲の発生が平年よりも多いと予想されています。エルニーニョ・ラニーニャでもなく、フィリピン付近での積乱雲の発生が多いということは、台風の発生も平年よりも多くなりそうです。では台風のコースはどうなるかというと、太平洋高気圧が平年よりも西に張り出すために、高気圧に抑えられて北上しづらいか、北上してくるとしても平年よりも西側に進むと思われます。(台風は太平洋高気圧の縁に沿って進むという性質があります)
大気の特徴

(気象庁HPより)

では、平年の台風の発生数となると、7月は3.7個、8月は5.7個、9月は5個となっており、これからはほぼ毎週台風が発生! ということになりますね。ボチボチ、本格的な台風シーズンですね!

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